マーケットの「モラルハザード」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/23 08:57 UTC 版)
「幸福銀行」の記事における「マーケットの「モラルハザード」」の解説
廃業の理由は「将来、預金の払戻ができなくなる」だったが、実際には当面の資金繰りはついていた。それは、コール市場を通じ、他の複数の金融機関が幸福銀に巨額の資金を供給していたためだった。資金を求める幸福銀に対しては、通常より高金利で資金を貸すことができ、破綻しても国が公的資金で肩代わりして焦げ付く恐れがないため、超低金利で運用難にあえぐ他の金融機関にとって、幸福銀は絶好の運用先だった。1997年11月の三洋証券の破綻時、コール市場にデフォルトが発生し、大混乱に陥った教訓から、ペイオフ実施前はこうした取引も完全に保護されることを逆手にとったもので、一種のモラル・ハザードであった。
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