マリア・レットベリとは? わかりやすく解説

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マリア・レットベリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/09 14:38 UTC 版)

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マリア・レットベリ(Maria Lettberg、1970年10月28日 - ) は、リガ出身のスウェーデンピアニストベルリン在住。

経歴と芸術的業績

マリア・レットベリはロシアの文学および数学の大学教授の間に生まれる。7歳でその才能を見出され、教育を受け、サンクトペテルブルク音楽院で演奏試験を行った。その後、ストックホルムのストックホルム音楽大学、ブルーミントンのインディアナ大学システム、ヘルシンキのシベリウス音楽院でさらなる研鑽をつむ。主にタチアナ・ザゴロヴァスカヤ、アンドレイ・ガヴリーロフパウル・バドゥラ=スコダメナヘム・プレスラー英語版、エマヌエル・クラスコフスキ、ローランド・ペンティネンマッティ・ラエカッリョ英語版に師事[1]

マリア・レットベリのコンサートレパートリーで重点を置いているのはブラームスシューマンリストショパンスクリャービンであるが、ドビュッシープロコフィエフシュニトケバッハにも造詣が深い。その際、あまり知られていない、特にスカンジナヴィアやロシアの作曲家の作品も常に演奏する。ドイツラジオ文化放送英語版(Dラジオ・クルトゥア)とは、長年にわたり共に仕事をしてきた。

スクリャービンへの取り組み

マリア・レットベリはアレクサンドル・スクリャービンの音楽の演奏家である。2007年に彼女は、CD8枚組のスクリャービンのソロピアノ作品全集をリリースした。2012年には、スクリャービンの若書きや息子のジュリアンによるものなど、作品番号のない「遺作集」も録音した。最近のCDにはいくつものスクリャービンの初録音が含まれている。

スクリャービンの音楽に触発されたマリア・レットベリは、「ミステリウム(神秘)」(フィンランドではカイザ・サルミ、ドイツではアンドレア・シュミットとともに)というタイトルの2つのプロジェクトを主宰している。両方の創作において、音楽的かつ視覚的視点は、ひとつの共鳴する総合芸術作品へと昇華されている。

2008年、マリア・レットベリはシベリウス音楽院で博士号を取得した。博士論文のテーマは「アレクサンドル・スクリャービンのピアノソナタ10番の演奏における傾向についての歴史的俯瞰-ピアノ演奏の比較分析」[2]

録音

  • 2007年: アレクサンドル・スクリャービン:ピアノソロ全集 CD8枚組+DVD 「神秘–マルチメディア プロジェクト」(Dラジオクルトゥア/カプリッチオ/デルタ)
  • 2008年: アルフレート・シュニトケ: ピアノ協奏曲1番〜3番 エヴァ・クピーク、マリア・レットベリ、ベルリン放送交響楽団 /フランク・シュトローベル(Dラジオクルトゥア/フェニックスエディション)
  • 2011年: エルッキ・メラルティン: ピアノ・ソロ作品、CD2枚組(Dラジオ・クルトゥア/クリスタル・クラシックス)
  • 2011年: アルフレード・シュニトケ: ピアノとオーケストラのためのKammerkonzert für Klavier und Orchester(ピアノ協奏曲第2番)、ピアノ、ヴァイオリン、チェロのための三重奏曲、ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための4重奏曲; ベルリン放送交響楽団/フランク・シュトローベル、ペーターゼン・カルテット(Dラジオ・クルトゥア/クリスタル・クラシックス)
  • 2012年: 遺作集: アレクサンドル・スクリャービン、ジュリアン・スクリャービン(Dラジオ・クルトゥア/エスドゥア・ハンブルク)
  • 2013年: 魔法の庭: ミハイル・グリンカニコライ・リムスキー=コルサコフイーゴリ・ストラヴィンスキーによるロシアの舞台作品のピアノ編曲(Dラジオ・クルトゥア/エスドゥア・ハンブルク)
  • 2015年: 「恍惚の詩」: アレクサンドル・スクリャービン、オリヴィエ・メシアンフランツ・リスト、マンフレート・ケルケル、ハラルド・バンターの作品(Dラジオ・クルトゥア/エスドゥア・ハンブルク)
  • 2017年: ツァラ・レヴィーナ: ピアノ協奏曲1番、2番 マリア・レットベリ、ベルリン放送交響楽団/ アリアネ・マティアク(Dラジオクルトゥア/カプリッチオ)

受賞歴

出版物

  • アルフレート・シュニトケのピアノトリオ: 学習と演奏: The Practice of Practising(オルフェウスリサーチセンター 音楽シリーズ)、ルーベン大学プレス、2011年
  • Alexander Skrjabin som pianist. Tekniska aspekter och estetiska principer. Finaali, 音楽演奏研究ジャーナル、シベリウスアカデミー、2004年
  • スクリャービンのピアノソナタ10番の演奏の傾向: ピアノ演奏の比較分析、シベリウスアカデミー、DokMus-tohtorikoulu, EST numero 20, 2012年http://ethesis.siba.fi/showrecord.php?ID=371162.

脚注

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参考文献

  • The Penguin Guide to the 1000 Finest Classical Recordings: The Must-Have CDs and DVDs, IVAN MARCH編, London 2011 (ハードカバー): John Sheppard: 記事 „Scriabin, Alexander“, 307頁
  • Maria Lettberg: formidable. Gramophone, BRYCE MORRISON (2008年5月, Editor Choice, 92頁)
  • Gruß vom Chamäleon, ganz ohne Starrummel ist die Pianistin Maria Lettberg erfolgreich. Der Spiegel, Beilage „Der Kultur Spiegel“, JOHANNES SALTZWEDEL (4/2011, 36頁)
  • Ein Ausdruckswunder. Die Zeit, MIRKO WEBER (No. 23/11 vom 1.Juni 2011)
  • Große Taten. Maria Lettberg widmet sich Skrjabins Klavierwerk, Süddeutsche Zeitung, WOLFGANG SCHREIBER (22. Dezember 2008)
  • Porträt: Anwältin des Besonderen - MARIA LETTBERG. Piano News, HELMUT PETERS (6/2012 40–42頁)
  • Maria Lettbergs Klavierkonzert abseits des Wohlgefälligen. Hamburger Abendblatt, TOM SCHULZ (14. September 2012)
  • Klangmagische Stimmungen, Maria Lettbergs Skrjabin-Abend in der Oetkerhalle. Neue Westfälische (17. September 2008)
  • Lettbergs Spiel: wie ein zarter Windhauch, Schwedische Pianistin sorgte bei den „Mittelrhein Musik Momenten“ für eine echte Sternstunde. Rhein-Zeitung, CHRISTIANE HAUSDING (3. August 2004)
  • „Stämningbilder“. Fono Forum, GREGOR WILLMES (6/2011, 79頁)

外部リンク


マリア・レットベリ

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アレクサンドル・スクリャービン」の記事における「マリア・レットベリ」の解説

ラトヴィア共和国生まれサンクトペテルブルク音楽院学んだスウェーデン国籍ピアニストポンティに続く「スクリャービン全集」(2004年)を完成させた。録音演奏の質ともに評価が高い。

※この「マリア・レットベリ」の解説は、「アレクサンドル・スクリャービン」の解説の一部です。
「マリア・レットベリ」を含む「アレクサンドル・スクリャービン」の記事については、「アレクサンドル・スクリャービン」の概要を参照ください。

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