マドゥマティ (哨戒艦)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/11 07:53 UTC 版)
| マドゥマティ | |
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マドゥマティ(2016年)
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| 基本情報 | |
| 建造所 | |
| 運用者 | |
| 艦種 | 哨戒艦 |
| 艦歴 | |
| 発注 | 1995年[1] |
| 就役 | 1998年2月18日[1] |
| 現況 | 現役[2] |
| 要目 | |
| 基準排水量 | 600 t[3] |
| 満載排水量 | 635 t[3] |
| 全長 | 60.8 m (199 ft 6 in)[3][1] |
| 最大幅 | 8 m (26 ft 3 in)[3][1] |
| 吃水 | 2.7 m (8 ft 10 in)[3][1] |
| 機関 | SEMT ピルスティク 12 PA6 V280MPC ディーゼルエンジン×2基[3][1] |
| 出力 | 9,600 hp(m) / 7.08 MW[3][1] |
| 推進 | 2軸[3][1] |
| 最大速力 | 24ノット (44 km/h)[3][1] |
| 航続距離 | 6,000 海里(15ノット巡航時)[3][1] |
| 乗員 | 43 名(士官7名)[3][1] |
| 兵装 | |
| レーダー | |
| 探索装置・ その他装置 |
NA18L 電子光学システム[3] |
マドゥマティ(英語: BNS Madhumati、ベンガル語: বানৌজা মধুমতি)は、バングラデシュ海軍が保有している哨戒艦[3][4]。大韓民国の現代重工業で建造され、1998年に就役した[1]。艦番号はP911[1]。同型艦はない[1]。
設計
満載排水量635トン、全長60.8メートルの哨戒艦で、もともとはバングラデシュ沿岸警備隊向けに発注された艦である[3]。なお、資料によっては哨戒艇に類別されている場合もある[1]。
設計と建造は韓国の現代重工業で、韓国海洋警察庁向けの巡視船としても建造されたシー・ドラゴン型と呼ばれる設計を採用している[1][3][4]。海洋警察庁の船と比較すると、搭載砲がボフォース60口径40ミリ機関砲 1基とエリコン20ミリ連装機関砲 2基からボフォース57ミリ速射砲 1基と70口径40ミリ機関砲 1基、エリコン20ミリ機関砲 2基に変更されているほか、より改良された射撃統制システムとヴォスパー社製のスタビライザーを備えている[1][4][5]。
主機関にはSEMT ピルスティク社製のディーゼルエンジン2基を搭載しており、最大速力は24ノット、航続距離は15ノット巡航時で6,000海里である[1][3]。
艦歴
1995年に発注され、1998年2月18日に就役した[1][3][4]。
2008年11月、ベンガル湾にあるミャンマーとの係争海域にミャンマー側が調査船4隻と護衛の海軍艦艇2隻を侵入させたことから、マドゥマティは053H2型フリゲート「アブー・バクル」および037型哨戒艇「ニルヴォイ」とともに現場に派遣された[6]。現場ではミャンマー側に対して抗議が行われたが、ミャンマー側は逆にバングラデシュ側の不法侵入を主張した[6]。両国の全般的な外交関係は良好であり、双方とも武力行使には至っていない[6]。
2010年4月、国際連合レバノン暫定駐留軍に参加するため053H1型フリゲート「オスマン」とともにバングラデシュを出港し、コロンボ、オマーン、ジッダに寄港しつつ5月にレバノンに到着、以後地中海で活動した[7][8]。武器密輸の阻止やレバノン海軍の訓練など4年以上にわたる活動の後、2014年6月に053H2型フリゲート「アリ・ハイダー」およびダージョイ級ミサイル艇「ニルムル」と交代してバングラデシュに帰還した[9][10]。
2021年1月、ベンガル湾のセント・マーティン島沖で26人乗りのトロール漁船「ジャンジャビル・ソムケン」が転覆沈没した事故を受け、行方不明者の捜索活動に従事した[11]。
2021年10月、沿岸および河川域における水産資源保護のため、僚艦6隻とともに禁漁期間における密漁警戒活動に従事した[12]。
2024年11月時点で、バングラデシュ海軍で現役である[2]。
脚注
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y Saunders 2015, p. 54.
- ^ a b IISS 2025, p. 235.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w Gogin 2025, p. 58.
- ^ a b c d “BNS Madhumati Offshore Patrol Vessel (Sea Dragon Class)”. globalsecurity.org. 2025年10月31日閲覧。
- ^ Saunders 2004, p. 436.
- ^ a b c “Star Report”. thedailystar.net (2008年11月3日). 2025年10月31日閲覧。
- ^ “Bangladesh navy begins operation in Lebanon”. thedailystar.net (2010年5月18日). 2025年10月31日閲覧。
- ^ “Bangladesh Deploys Patrol Vessels in Lebanon”. naval-technology.com (2010年5月18日). 2025年11月6日閲覧。
- ^ “Bangladesh offers to train Lebanese navy”. thedailystar.net (2014年6月12日). 2025年10月31日閲覧。
- ^ “2 more navy ships for peacekeeping in Lebanon”. thedailystar.net (2014年6月13日). 2025年10月31日閲覧。
- ^ “বঙ্গোপসাগরে ট্রলার ডুবে নিহত ৪, নিখোঁজ ১০”. rajtimes24.com (2021年1月24日). 2025年11月6日閲覧。
- ^ “ইলিশ রক্ষার অভিযানে নৌবাহিনীর সাত জাহাজ”. mzamin.news (2021年10月4日). 2025年10月31日閲覧。
参考文献
- Ivan Gogin (2025) (英語). Fighting ships of the world 2025. Part One. A - M. ISBN 979-8315818335
- Stephen Saunders, ed (2004) (英語). Jane's Fighting Ships 2004-2005. Janes Information Group. ISBN 978-0710626233
- Stephen Saunders, ed (2015) (英語). Jane's Fighting Ships 2015-2016. Janes Information Group. ISBN 978-0710631435
- The International Institute for Strategic Studies (IISS) (2025) (英語). The Military Balance 2025. Routledge. ISBN 978-1-041-04967-8
関連項目
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