ベルガーの「勝利」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/21 02:37 UTC 版)
「1991年日本グランプリ (4輪)」の記事における「ベルガーの「勝利」」の解説
セナはエグゾーストパイプ破損というトラブルを抱えてペースを落としたベルガーを追い上げ、18周目のバックストレートでかわしてトップに立つと、そのまま独走態勢に入った。最終ラップに入り、そのままゴールするかと思われたが、シケインを過ぎた最終コーナーで突如ペースダウンし、ベルガーが再逆転してトップチェッカーを受けた。レース前、両者は「1コーナーをトップで通過したものがそのまま先に行く(優勝する)」という約束を交わしており、セナがこれを守ってベルガーに勝利を譲った。 これを、「友人のベルガーに花を持たせた」という「美談」と取るものと、「そのような約束があったなら、途中でペースアップしてベルガーを抜く必要はなかったのに、自分の速さを見せつけるべく一旦トップになってからわざとらしく譲った」と取る見方がある。実際にレース後にはベルガーが約束を破ったセナを問い詰め、チームオーナーのロン・デニスと話し合うという一幕もあった。しかしセナは「ドライバーズタイトルを取るためにサポートしてくれたベルガーに対しての感謝」と主張した。 ベルガーは最終コーナーでスローダウンしたセナを見て燃料切れだと思い、「世の中に正義はある。もともとこのレースは私のレースのはずだったのだから」と思ったという。レース後、勝利を譲られたことを知り、少しも嬉しくなかったし、もしセナの計画を事前に知っていたら、自分もブレーキを踏んでセナをパスしなかっただろうと語っている。
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