ヘーリアントとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 製品 > 文学作品 > 叙事詩 > 叙事詩 > ヘーリアントの意味・解説 

ヘーリアント

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/28 08:18 UTC 版)

ヘーリアント』(古ザクセン語: Heliand)は、9世紀半ばに古ザクセン語で書かれた叙事詩である。イエス・キリストの生涯をゲルマンのサガの形式である頭韻詩で記述したもので、題名のHeliandは古ザクセン語で「救世主」を意味している(現代のドイツ語オランダ語でも同様である)。これは古ザクセン語で書かれた著作では最長のものであり、原本は約6,000行あったと見られている。内容の重複した断片が4つ発見されていて、それらで原本のほとんどをカバーできる。「内容は、2世紀の東シリア人タティアノス(Tatianos)が編集した「四福音書調和」(Diatessaron; Evangelienharmonie)と、当時の精神文化の中心地フルダの修道院長ラバーヌス・マウルス(Hrabanus Maurus)の聖書註解を柱とするキリスト伝である」[1]。序文には"Ludouicus piissimus augustus"(敬虔王ルートヴィヒあるいはその息子のルートヴィヒ2世=ドイツ王ルートヴィヒ)の命によって書かれたという記述があることから[2]、成立した年は前者の在位していた814年-840年、あるいは後者の在位した843年-876年の間であるとされている。1562年マティアス・フラキウスが序文を出版した。1587年にはユニウスが断片の模写を行ったが、その出版は1705年のジョージ・ヒックス(en: Goerge Hickes)の手を待つことになった。


  1. ^ 石川光庸 訳・著『古ザクセン語 ヘーリアント(救世主)』大学書林 2002 (ISBN 4-475-00921-9)、2頁。
  2. ^ 石川光庸 訳・著『古ザクセン語 ヘーリアント(救世主)』大学書林 2002 (ISBN 4-475-00921-9)、1頁では、どの王かについては「まだ結論は出ていない」とするが、Lexikon des Mittelalters. Bd. IV. München/Zürich: Artemis 1989 (ISBN 3-7608-8904-2), Sp. 2120ではルートヴィヒ・ドイツ王説。


「ヘーリアント」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ヘーリアント」の関連用語

ヘーリアントのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ヘーリアントのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのヘーリアント (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS