ヘシュカズムの体系化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 23:59 UTC 版)
「正教会の歴史」の記事における「ヘシュカズムの体系化」の解説
もともと正教会には神秘思想的傾向が強かったのであるが、この流れを決定的にしたのは14世紀のグレゴリオス・パラマス(グレゴリイ・パラマ)である。14世紀初頭、恩寵の非被造性を説き、非被造の恩寵が人間を照らし、神の働きを知ることへと導くとした。そして霊的な指導のもと、徹底した、しかし機械的でない祈り、「祈らずして祈る」者のみが、神の作られざる恩寵の光に与り、恩寵によって神の性質と等しいものになる(テオーシス、神成、Theosis)と説いた。この過程で、絶対的な静寂(ヘシュキア)を体験すると言う。これをヘシュカズムという。 この教えは正教の公式の教義となり、またそのような祈りのために「イイススの祈り」と呼ばれる短い祈祷文が定着した。この祈りは「主イイスス・ハリストス、神の子よ、我罪人を憐れみ給へ」("Jesus Christ, Son of God, Have mercy on me, a sinner")という短い章句を繰り返すもので、修道士らによって伝播した。今日では修道士ではない一般の正教徒にも広く行われている。
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