フルベームクラリネット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 15:35 UTC 版)
「ベーム・システム (クラリネット)」の記事における「フルベームクラリネット」の解説
フル・ベーム・システムクラリネットは、クローゼとビュッフェの1843年の設計を改良した唯一のクラリネットであるが、その複雑さ、重さ、価格の高さから、基本設計に取って代わるものとはならなかった。4つの改良により、より合理化された運指システムが実現した。最初の改良点は、楽器に7番目のリングを追加したことである。これによって、現代サクソフォーンのものとよく似た、クロスフィンガリングによるE♭’/B♭’’が音域に追加された。次に、連結されたC♯'/G♯'キイが追加され、B/C♯' およびF♯'/G♯' のトリルをほぼ完璧な音程で、より単純な運指パターンで演奏することが可能になった。低いE♭キイも追加された。これは、以前のクラリネットには存在しなかった音で、作曲家によっては必要とされる。E♭キイの追加は、AクラリネットのパートをB♭の楽器で目視で移調しなければならないときにも便利で、前者の最も低い音、(書かれた)E(クラリネットシステムの実用的な音域の一部であるため、しばしば要求される)を後者の(書かれた)E♭として演奏することができる。最後に、左手薬指のためのA♭/E♭’’ のキイが追加され、特定のパッセージをより効率的な運指で演奏できるようになった。
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