ファンシー (洋菓子)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ファンシー (洋菓子)の意味・解説 

ファンシー (洋菓子)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/15 05:35 UTC 版)

ファンシー[1]
ボンとらやの「ピレーネ」
別名 パリジャン[2]、ピレーネ[2] など
種類 洋菓子[1]
発祥地 日本
地域 愛知県[1]
考案者 松田孝[2]
ボンボヌール・元・工場長[2]
誕生時期 1966年(昭和41年)[1]
主な材料 砂糖小麦粉クリーム
テンプレートを表示

ファンシーとは、かつて愛知県一宮市の洋菓子店ボンボヌールが製造・販売していた洋菓子ケーキ[1]

製造に関わった職人によってアレンジされて主に愛知県内で広く販売されており、同じ形状の洋菓子が「パリジャン」「ピレーネ」などの複数の名称で販売されている[2][3]

特徴

ボンとらやの「ピレーネ」の内部

薄く四角く焼いたスポンジに、クリームを包み込んだ洋菓子[1][2][広報 1]。元祖であるパリジャン[広報 2]によると単純なだけに奥深いお菓子であり、オリジナルの製造工程には門外不出の「秘密の工程」があるとされている[広報 1]

歴史と名称

オリジナルの「ファンシー」

愛知県一宮市の和菓子店・萬壽堂が、1966年(昭和41年)3月1日に洋菓子店「まんじゅどうボヌール」へと転業・屋号変更するが[4][5]、同店が同年に製造・販売を開始したケーキ第1号が「ファンシー」である[1]。原型は後に工場長を務めることとなる松田孝によって考案されたとされる[2][広報 1]

まんじゅどうボヌールは1971年(昭和46年)7月に「株式会社 ボンボヌール」を設立し[6]屋号も変更したため[5]、ファンシーは同社の商品として製造・販売されるようになる[1]。しかし経営悪化により2005年(平成17年)3月にボンボヌールが小売業から撤退・解散すると、洋菓子製造は株式会社ドゥーコムが譲り受け[7]、洋菓子ブランド「ボンボヌール」の商品として引き続き販売された[8]。2011年(平成23年)9月26日、ドゥーコムも資金繰り逼迫により破産した[7]ため、オリジナルの「ファンシー」は消滅した[3]

「パリジャン」からの派生

「ファンシー」を考案した松田孝は、1975年(昭和50年)に蟹江町で洋菓子店パリジャンを開店、「ファンシー」と同じ形状の商品「パリジャン」を販売していた[2][広報 1]。ボンボヌール時代の仲間・パリジャンで修行した弟子が出店・独立する際にも製法が引き継がれ[3]、各店でアレンジを加えながら愛知県内の10店舗以上に広まった[2]。看板商品として販売店名を冠した商品も多く[2][3]、主要なものは以下のとおり。

その後の「ファンシー」の広がり

パリジャンから派生した店舗で修行した弟子らによってさらに製法は引き継がれ、同じ形状の商品は岐阜県三重県など愛知県外にも広がっている[広報 1]。ただし、パリジャンによると、これら類似商品の中にはボンボヌールやパリジャンとはまったく関わりのない店舗で販売されている例もあり、形状がシンプルであることから真似しやすいのではないかと分析している[広報 1]

似た形状の商品は、2016年(平成28年)ごろにモンテールが「ふわふわファンシー」の名称で[広報 3][9]山崎製パンが「ふわふわケーキ」の名称で商品を製造・販売していた。[要出典]

脚注

出典

  1. ^ a b c d e f g h “「業界初」ケーキの宅配サービス ボンボヌールがこの夏から開始したケーキの贈物”. 中部財界 1993年9月号 (中部財界社) (1993年9月).pp117
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p 愛知ではメジャーなこの洋菓子…でも人によって呼び方がバラバラだった! 謎の先にいた職人”. ニュースOne(2019年2月28日放送). 東海テレビ. 2010年1月20日閲覧。
  3. ^ a b c d 「ファンシー」は愛知県のご当地スイーツ!?名前は色々、でも形は同じケーキの謎”. IDENTITY名古屋. IDENTITY (2019年2月13日). 2010年1月20日閲覧。
  4. ^ “経営は"アルコ-ルランプ"のようでありたい (株)ボンボヌ-ル・近藤昌平社長”. 月刊中小企業 1981年5月号 (中小企業出版局) (1981年5月).pp30-33
  5. ^ a b “昭和の商魂(7)ボン・ボヌール社長 近藤昌平氏 ボヌールファミリーを経営の柱に”. 中部財界 1975年9月号 (中部財界社) (1975年9月).pp76
  6. ^ “私が母から学んだ人生の鉄則”. 近代中小企業 1989年1月号 (中小企業経営研究会) (1989年1月1日).pp15
  7. ^ a b “愛知の生ケーキ「ファンシー」 製造元が破産”. asahi.com (朝日新聞社). (2011年9月27日). オリジナルの2011年12月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20111231184832/http://www.asahi.com/business/update/0927/NGY201109270013.html 2024年4月15日閲覧。 
  8. ^ (株)ドゥーコム/破産開始決定”. JC-NET (2011年9月27日). 2010年1月20日閲覧。[出典無効]
  9. ^ マロンづくし!秋スイーツで一足先に秋の味覚を”. ウォーカープラス. KADOKAWA (2016年8月21日). 2019年10月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月15日閲覧。

広報など1次資料

  1. ^ a b c d e f パリジャン 商品紹介”. パリジャン. 2010年1月20日閲覧。
  2. ^ パリジャンについて パリジャンQ&A”. パリジャン. 2010年1月20日閲覧。
  3. ^ 11月新商品のお知らせ”. モンテール (2016年11月1日). 2010年1月20日閲覧。


このページでは「ウィキペディア」からファンシー (洋菓子)を検索した結果を表示しています。
Weblioに収録されているすべての辞書からファンシー (洋菓子)を検索する場合は、下記のリンクをクリックしてください。
 全ての辞書からファンシー (洋菓子)を検索

英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ファンシー (洋菓子)」の関連用語

ファンシー (洋菓子)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ファンシー (洋菓子)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのファンシー (洋菓子) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS