ピゾ数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/04 00:10 UTC 版)
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ピゾ数(ピゾすう、英語: Pisot–Vijayaraghavan number)とは、代数的整実数 α > 1 のうち、全ての共役根の絶対値が1未満である数のことである[1]。ピゾ=ヴィジャヤラガヴァン数、PV数とも呼ばれる。
定義
代数的整数、つまり整数係数モニック多項式の根のうち、1より大きい実数であり、かつ全ての共役根が、絶対値が1より小さい複素数であるような数をピゾ数という。言い換えれば、全ての共役根が複素平面の単位円の内側にあるような、1より大きい代数的整実数のことである。
例えば、x2 - x - 1 = 0の解の一つである黄金数は、φ = 1.6180...で与えられる1より大きい数であり、その共役根は1-φ = -0.6180...であり絶対値が1未満であるため、ピゾ数である。
同様に、x3 - x - 1 = 0の解の一つであるプラスチック数は、p = 1.3247...で与えられる数1より大きい数であり、その共役根は、-0.66236... ± 0.56228...iであり絶対値が1未満であるため、ピゾ数である。
2以上の整数は共役根が存在しないが、ピゾ数である[2]。
性質
ほとんど整数
ピゾ数の累乗は、ほとんど整数となる。
あるピゾ数α > 1の共役根をα1, α2, ..., αn-1とする。ピゾ数は代数的整数であり、整数係数モニック多項式の根であるため、解と係数の関係より、n個の根からなる基本対称式は全て整数である。したがって、対称式
ピゾ数の一覧
二次の無理数
整数a, bについて、a < 0かつa - 1 < b < -a - 1のとき、二次方程式x2 + ax + b = 0の正の実数根はピゾ数である。
ピゾ数 | 最小多項式 | 値 |
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