ビュージンゲンとは? わかりやすく解説

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ビュージンゲン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/09 05:22 UTC 版)

ビュージンゲンの位置
ビュージンゲンの衛星画像

ビュージンゲンドイツ語: Büsingen)は、スイス領内のライン川沿いにあるドイツバーデン=ヴュルテンベルク州飛び地である。

概説

ビュージンゲンは、面積7.62平方キロメートル、人口約1,450人の小さな町である[1]。ビュージンゲンにはスイスの警察が駐在しているものの、一般的にドイツの法律が適用され、犯罪などが発生した際にはドイツ側から同国の警察官がやって来る。警察官はドイツ側からビュージンゲンまで、スイス領内の指定されたルートを通って700メートル離れたドイツ側から入るよう定められている。しかし、有事の際の経済統制や農業、衛生(食品、薬品等)に関してはスイスの法律が適用される。

ビュージンゲンでは欧州連合ではなくスイスの関税が適用される[2][3]通貨スイス・フランが使用されるが、ユーロも流通している[2]。ビュージンゲンは政治的にはドイツの領土だが、住民生活の比重はスイス領内に置かれている[2]。スイス側との往来に制限はなく、住民の多くは西隣に位置するスイス領内の都市・シャフハウゼンで働いている。

2005年の国民投票を経て2009年よりスイスがシェンゲン協定に加わった[4]ため、ドイツ本土も含めて国境検査が撤廃され、往来が自由化されている。

領土の確定

歴史的にもビュージンゲンの住民は、シャフハウゼンを中心にした生活を続けている。第一次世界大戦が終結した1918年に住民投票が行われ、投票者の96%がスイスへの帰属を希望するという結果になった。しかし、スイス側が飛地交換に伴いドイツへ渡すことになる代替地を用意できず、スイスへの帰属は実現されなかった。

1956年、当時の西ドイツ政府はビュージンゲンと西ドイツ本土との間の農地を買収し、西ドイツ領に編入して飛地の解消を試みたが、必要な予算の割に効果が期待できないのに加え、スイス側が拒否したこともあって断念している。結局1967年、ビュージンゲンはスイスが西ドイツと締結した条約で、改めてドイツ領(当時は西ドイツ領)として存続することが決定した。

関連項目

脚注

  1. ^ ビュジンゲン スイス?それともドイツ?”. 2025年8月9日閲覧。
  2. ^ a b c ゾラン・ニコリッチ 著、松田和也 訳『奇妙な国境や境界の世界地図』創元社、2023年、30-31頁。ISBN 9784422215457 
  3. ^ Territorial Scope - European Commission”. 2025年8月9日閲覧。
  4. ^ https://www.swissinfo.ch/eng/switzerland-s-schengen-entry-finally-complete/653802

外部リンク

座標: 北緯47度41分49秒 東経8度41分25秒 / 北緯47.6969度 東経8.6903度 / 47.6969; 8.6903


ビュージンゲン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/03 06:44 UTC 版)

欧州連合加盟国の特別領域」の記事における「ビュージンゲン」の解説

ドイツのビュージンゲンはスイス領内にある飛地で、欧州連合非加盟国であるスイス独自に関税同盟結んでいる。ビュージンゲンにおける法定通貨ユーロであるが、実際にスイス・フラン使用される。また欧州連合関税同盟付加価値税領域対象はなっておらず、スイス付加価値税消費税適用される

※この「ビュージンゲン」の解説は、「欧州連合加盟国の特別領域」の解説の一部です。
「ビュージンゲン」を含む「欧州連合加盟国の特別領域」の記事については、「欧州連合加盟国の特別領域」の概要を参照ください。

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