ビタミンE強化ダイズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 16:18 UTC 版)
「遺伝子組み換え作物」の記事における「ビタミンE強化ダイズ」の解説
トコフェロール類にはビタミンE活性があるが、分子種によってその活性の強弱は異なる。トコフェロール類はメチル化の程度やメチル基の位置によって、α-, β-, γ-, δ-トコフェロールと区別されている。これらの中では、α-トコフェロールが最もビタミンE活性が強い分子種であり、次がβ-トコフェロールである。ダイズ種子に由来するダイズ油中に存在するトコフェロール類の主要分子種はγ-トコフェロールであり、次がδ-トコフェロールである。これらはビタミンE活性が弱い。そこで、これらをα-トコフェロールやβ-トコフェロールに変換することによってビタミンE活性を増強することが試みられた。エゴマ(Perilla frutescens, シソと同種の植物)のγ-トコフェロール・メチル転移酵素の遺伝子をエンドウマメの種子特異的貯蔵タンパク質であるvicillinの遺伝子のプロモーターを用いてダイズの種子中で発現させた。その結果、γ-トコフェロールやδ-トコフェロールの含量は大幅に減る一方、α-トコフェロール含量は10倍強、β-トコフェロール含量は15倍弱まで増えた。その結果、ビタミンE活性が4.8倍強化されたダイズ種子が得られた。
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