パクスオトマニカとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > パクスオトマニカの意味・解説 

パクス・オトマニカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/13 04:34 UTC 版)

パクス・オトマニカ (Pax Ottomanica)またはパクス・オトマーナ (Pax Ottomana)は、オスマン帝国の支配下にあった領域で達成された秩序を指し、近年の1990年代以降トルコで使われるようになった用語である。パクス・シニカパクス・モンゴリカ同様、ごく狭い範囲での平和の保持を達成したにすぎず、パクス・ブリタニカパクス・アメリカーナと同義と捉えるのは間違いである。

この用語は「パクス・ロマーナ」(ローマによる平和)にちなむ。

オスマン帝国に好意的な視点を持つ多くのトルコ共和国の歴史学者は、帝国支配の肯定的な影響を強調するためパクス・オトマニカという用語を使うことを好む。つまり、オスマン帝国の支配下の地域のほとんどは、オスマン帝国の統治以前は失政と暴力にあえいでいた(例としてはエピロス専制侯国などが挙げられる)。また、オスマン帝国は16世紀から17世紀の国力の絶頂期にはバルカンアナトリア中東地域のほとんどと北アフリカコーカサスをも支配下に置いていたが、第一次世界大戦後にはアナトリアを残すのみとなっており、オスマン帝国から失われた地域は、オスマン支配の崩壊に続く社会的、経済的、政治的な不安定に苦しみ、しかもこの混乱は、近年冷戦終結に伴い悪化しているとされる。

このようなオスマン帝国による支配を肯定的にとる見解は、オスマン帝国から独立した諸地域では支持されておらず、たとえばギリシャ正教会ではフィロセイグリゴリオス5世のように、オスマン帝国支配下での苦難を受けた聖人が特に記憶されている。

参考文献

  • Kemal Cicek (ed.). 2001. Pax Ottomana: Studies in Memoriam Prof. Dr. Nejat Goyunc (1925-2001). Ankara: Haarlem.
  • İlber Ortaylı. 2007. Osmanlı Barışı (Ottoman Peace). İstanbul: Timaş.

パクス・オトマニカ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 21:24 UTC 版)

オスマン帝国」の記事における「パクス・オトマニカ」の解説

詳細は「パクス・オトマニカ」を参照 16世紀1683年皇帝メフメト4世治世の元、オスマン帝国勢力的最大版図築いたオスマン帝国歴史学者らはこのオスマン帝国最盛期や、その後時代をパクス・オトマニカと呼ぶ。

※この「パクス・オトマニカ」の解説は、「オスマン帝国」の解説の一部です。
「パクス・オトマニカ」を含む「オスマン帝国」の記事については、「オスマン帝国」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「パクスオトマニカ」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「パクスオトマニカ」の関連用語

パクスオトマニカのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



パクスオトマニカのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのパクス・オトマニカ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのオスマン帝国 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS