バナッハ=タルスキーのパラドックスと選択公理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/29 01:53 UTC 版)
「選択公理」の記事における「バナッハ=タルスキーのパラドックスと選択公理」の解説
選択公理を仮定することによって導かれる、一見、奇怪で非直観的な結果の中でも、バナッハ=タルスキーのパラドックスは有名なもので、「有限個の部分に分割し、それらを回転・平行移動操作のみを使ってうまく組み替えることで、元の球と同じ半径の球を2つ作ることができる」と、初歩的な概念のみで表現することができる。ただ、ここでの「有限個の分割」は、通常イメージされる単純な分割(包丁でいくつかのパーツに切り分けるようなもの)ではなく、非常に特殊な分割であるため、「"奇怪な分割"をした結果、奇怪な結果(2つに増える)が生じた」にすぎないという側面もある。 なお、ステファン・バナフ(バナッハ)とタルスキは論文の冒頭で、「証明のなかに、この公理(選択公理)が果たす役割は、注目するに値する」と述べているだけであり、バナッハ=タルスキーのパラドックスによって選択公理が正しくないと明確に主張したわけではない。
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