ナガキクイムシの駆除
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/13 01:14 UTC 版)
「ブナ科樹木萎凋病」の記事における「ナガキクイムシの駆除」の解説
媒介者であるキクイムシを駆除することで病気の蔓延を防ぐというもので現在主流の方法である。具体的には、多数の成虫が脱出する枯死木を切り倒して袋を被せ、薬剤でくん蒸する方法が各地で実施されている。また、キクイムシの脱出前に健全木を切り倒して丸太を並べ、それに誘引・穿孔させて、焼却などによって駆除する餌木誘殺が、1930年代より実施されている。合成したフェロモン剤を餌木丸太に設置して捕獲数を増やす試みも始まっている。その他、雄が発散する集合フェロモンを利用して誘殺するため、ペットボトルで作成したトラップを木に吊す方法が開発され、これによって数十万頭が捕獲され、被害が抑えられた例がもあり、各地で導入が始まっている。キクイムシの穿孔を受け始めた木に殺虫剤を散布する方法でも防除に成功した事例がある。先例となるニレ立枯病においてはキクイムシ駆除を目的に散布されたDDTによって小鳥が変死するなどの影響が見られた民衆の大規模な反対運動が繰り広げられ殺虫剤散布は中止された。この運動のきっかけになったのがレイチェル・カーソン著の「沈黙の春」である。
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