トレマーズ2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/06 17:52 UTC 版)
| トレマーズ2 | |
|---|---|
| Tremors 2: Aftershocks | |
| 監督 | S・S・ウィルソン |
| 脚本 | ブレント・マドック S・S・ウィルソン |
| 製作 | ナンシー・ロバーツ クリストファー・デファリア |
| 製作総指揮 | ロン・アンダーウッド ブレント・マドック |
| 出演者 | フレッド・ウォード クリストファー・ガーティン マイケル・グロス ヘレン・シェイヴァー |
| 音楽 | ジェイ・ファーガソン |
| 撮影 | ヴァージル・L・ハーパー |
| 編集 | ボブ・ダクセイ |
| 製作会社 | ユニバーサル・ピクチャーズ スタンピード・エンターテインメント |
| 配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ・ホームエンターテイメント |
| 公開 | |
| 上映時間 | 97分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $4,000,000[1] |
| 前作 | トレマーズ |
| 次作 | トレマーズ3 |
『トレマーズ2』(原題:Tremors 2: Aftershocks)は、1996年に発売されたオリジナルビデオ。1990年に公開された『トレマーズ』の続編。S・S・ウィルソンが監督を務め、フレッド・ウォード、クリストファー・ガーティン、マイケル・グロス、ヘレン・シェイヴァーが出演している。
あらすじ
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ネバダ州の砂漠の町パーフェクションを襲った地底怪物グラボイドの脅威から7年。メキシコの油田地帯で再びグラボイドが出現し、作業員たちが次々と捕食される事態が発生する。危機に直面した石油会社は、かつてグラボイドと死闘を繰り広げたアール・バセット(フレッド・ウォード)に高額の報酬を提示し、怪物退治を依頼する。グラボイド関連の事業に失敗し、経済的に困窮していたアールは当初渋るものの、報酬に惹かれ依頼を引き受ける。新たな相棒である陽気なタクシードライバーのグラディ・ノリス(クリストファー・ガーティン)を連れ、アールはメキシコの油田へ向かう。
アールは前回の戦いで培った経験を活かし、ラジコンカーにダイナマイトを括り付けてグラボイドを誘き出し、爆殺する作戦を展開。旧友で武器マニアのバート・ガンマー(マイケル・グロス)も加わり、順調にグラボイドを倒していく。しかし、ある時、2人は異常な行動を見せるグラボイドに遭遇し、生け捕りにしようと試みる。だが、わずかな隙にグラボイドは腹部に大穴を開けた状態で死に、事態は予想外の方向へ展開。グラボイドの新たな進化と脅威が明らかになり、アールたちは未曾有の危機に立ち向かうことになる。
キャスト
※括弧内は日本語吹替
- 前作『トレマーズ』で地底怪物グラボイドを倒し、英雄として名を馳せたパーフェクションの元便利屋。現在は牧場経営に転身したが、事業に失敗し経済的に困窮している。高額の報酬に惹かれ、メキシコの油田で再び出現したグラボイド退治の依頼を引き受ける。新たな相棒グラディ・ノリス(クリストファー・ガーティン)と共に戦いに挑むアールは、前作での経験を活かし、ラジコンカーとダイナマイトを組み合わせた作戦でグラボイドを順調に倒していく。しかし、新たな形態に進化したグラボイド「シュリーカー」に直面し、従来の戦術では対応しきれず苦戦を強いられる。それでも持ち前の冷静な判断力と戦略的思考で、仲間たちを率いて危機に立ち向かう。アールの口癖である「下品で失礼」や「プランを立てよう!」は本作でも健在で、彼のユーモラスかつ頼もしい性格を際立たせている。
- グラディー・フーパー - クリストファー・ガーティン(落合弘治)
- 『トレマーズ2』で初登場するメキシコのタクシードライバーで、アール・バセット(フレッド・ウォード)の新たな相棒。能天気で陽気な性格だが、前向きで行動力があり、危機的状況では頼もしい活躍を見せる。グラボイド退治の依頼を受けたアールに同行し、メキシコの油田での戦いに参加。持ち前の明るさと機転でアールを支え、グラボイドやその進化形「シュリーカー」との戦いで勇敢に立ち向かう。時に軽妙なユーモアで場の雰囲気を和ませつつ、アールの戦略に協力し、チームに欠かせない存在となる。
- ケイト・"ホワイト"・ライリー - ヘレン・シェイヴァー(増子倭文江)
- 『トレマーズ2』で初登場する女性地質学者。メキシコの油田で発生したグラボイドの脅威に対処するため、グラボイドの生態を科学的に分析する役割を担う。学者としての好奇心が強く、グラボイドを単なる脅威ではなく研究対象として捉え、その行動や進化(特にシュリーカーへの変態)を詳細に観察する。冷静で知的な性格を持ち、アール・バセット(フレッド・ウォード)やグラディ・ノリス(クリストファー・ガーティン)らと協力しながら、グラボイドの新たな特性を解明し、退治作戦に貢献する。彼女の科学的視点は、チームの戦略に新たな視角をもたらす。
- 前作『トレマーズ』から登場するパーフェクションの住人で、熱狂的な軍事マニアかつプレッパー。ヘザー(リーバ・マッキンタイア)と喧嘩別れした後、自宅に引きこもる生活を送っていたが、アール・バセット(フレッド・ウォード)からメキシコの油田でのグラボイド退治の協力を依頼され、即座にやる気を取り戻して現地へ向かう。バートの要塞化した自宅の地下室ガレージには、前作で倒したグラボイドの剥製が飾られており、彼の怪物退治への執念を象徴している。豊富な武器知識と戦闘技術を駆使し、アールやグラディ・ノリス(クリストファー・ガーティン)と共に新たなグラボイドやその進化形「シュリーカー」に立ち向かう。頑固で時に融通の利かない性格ながら、危機的状況での頼もしさとユーモアがチームを支える。
- カルロス・オルテガ - マルセロ・タバート(仲野裕)
- 石油会社の幹部。メキシコの油田でグラボイドによる作業員の被害が相次ぐ中、前作『トレマーズ』でグラボイドを倒した実績を持つアール・バセット(フレッド・ウォード)の評判を聞きつけ、高額の報酬を提示してグラボイド退治を依頼する。カルロスはビジネスライクな態度でアールやその仲間たちと接し、油田の安全確保と会社利益を優先する現実的な人物として描かれる。彼の依頼が物語のきっかけとなり、アールやグラディ・ノリス(クリストファー・ガーティン)、バート・ガンマー(マイケル・グロス)によるグラボイドとの新たな戦いが始まる。
- ジョージ・フリオ - マルコ・ヘルナンデス(大川透)
- メキシコの油田のチーフエンジニア。油田施設の運営を支える技術者として、グラボイドの脅威に直面する現場の重要な人物。物語序盤で、グラボイドの進化形である「シュリーカー」に捕食される悲劇的な運命をたどり、油田での危機の深刻さを象徴する役割を果たす。
- ジョン・ペドロ - ホセ・ロザリオ(辻親八)
- メキシコの油田で働くエンジニアで、チーフエンジニアのジョージ・フリオ(マルコ・ヘルナンデス)のアシスタント。油田施設の運営を支える現場の一員として登場するが、物語序盤でグラボイドの進化形「シュリーカー」に捕食される悲劇的な末路をたどる。彼の死は、油田におけるシュリーカーの脅威と危機の深刻さを強調する役割を果たす。
- 作業員 - トーマス・ロザレス(辻親八)
- 物語冒頭でにグラボイズに捕食される。
- バレンタイン・"バル"・マッキー - ケヴィン・ベーコン ※写真のみ
- 前作『トレマーズ』でアール・バセット(フレッド・ウォード)の相棒としてパーフェクションの町で便利屋を営み、グラボイドを倒した英雄の一人。グラボイド退治の功績により新聞記事にその名が掲載されるなど、名声を得ている。『トレマーズ2』では直接登場せず、メキシコの油田でのグラボイド退治の依頼を断ったことが、石油会社幹部のカルロス・オルテガ(マルセロ・タバート)の台詞で語られる。現在は結婚し、妻帯者として新たな生活を送っていることが明かされる。本作では彼の写真が登場し、前作での活躍を間接的に示す役割を果たす。
製作
1993年、MCAユニバーサルの長編映画部門が脚本を気に入ったことで『トレマーズ2』の製作が開始された。当初の企画では製作費1700万ドル、ロケーション撮影地はオーストラリアを予定し、ケヴィン・ベーコンとリーバ・マッキンタイアも続投することになっていた。しかし、マッキンタイアはコンサートツアーのため辞退し、ベーコンはS・S・ウィルソンに続投の意思を伝えていたものの、『アポロ13』の撮影スケジュールと重なっていたために辞退したとされている[2]。メインキャストの降板と第1作の興行成績が芳しくなかったことから、劇場公開に伴う配給費や宣伝費のコスト回収が困難になると判断したMCAユニバーサルは製作に難色を示すようになった。企画は中止寸前となったが、複数のキャストやスタッフがギャラの値下げを申し出て中止を免れた[2]。
第1作はビデオ販売で大きな利益を出し、興行成績の不振を巻き返すことになった。これを受け、『トレマーズ2』の企画はMCAユニバーサルのホームビデオ部門が引き継ぎ、新たに400万ドルの予算が与えられた。脚本は製作費縮小以前の内容がそのまま採用されたが、バート・ガンマーが戦車を使用するシーンや南北戦争時代のマスケット銃でシュリーカーと戦うシーンなどがカットされ、舞台がオーストラリアからメキシコ南部に変更された[1]。撮影は1994年初旬にカリフォルニア州バレンシア近郊で27日間かけて行われた[3]。
クリーチャーデザインはアマルガマティッド・ダイナミクスが担当した。前作ではグラボイドは途中に潜んでいるシーンが大半だったため小道具が少なかったが、『トレマーズ2』ではグラボイドに代わり地上で行動するシュリーカーが主要クリーチャーとなり、関節が動く実寸大人形2体[4]、ハンド・パペット3体[5]、関節の動かないゴム人形3体が作られた[6]。実寸大人形は16人のスタッフが動作を担当し、ゴム人形はシュリーカーが落下、銃撃、爆発するシーンに使用された[6]。また、劇中に登場するグラボイドには第1作のモデルが再利用されたものが含まれている[7]。
劇中の赤外線表示のシーンでは、キャストは赤いスーツと黄色のストッキングを着用し、8ミリビデオで撮影したものを35mmフィルムにブラウン・アップしている。ポストプロダクションの段階で様々な色の顔や身体をレンダリングした[8]。シュリーカーの幼体が登場するシーンは巨大な檻の中に成体サイズのシュリーカーを入れて撮影し、シュリーカーが小さく見えるようにしていた[9]。そのため、檻の中の幼体を映すシーンでは大きさが分からないように人間が映り込まないように配慮された[10]。一部のシーンではアマルガマティッド・ダイナミクスの他にティペット・スタジオが作成したCGIのシュリーカーが登場している[11]。これらCGIで作られたシュリーカーは歩行シーン、疾走シーン、互いの体によじ登るシーンなどで使用された[12]。
公開
『トレマーズ2』は完成後のテスト上映で絶賛され、スタジオは劇場公開を検討するようになった。公開日は数度にわたり延期となり、最終的に完成から2年後の1996年4月9日に公開が決定し[10]、ハリウッドのアルフレッド・ヒッチコック劇場で上映された他、海外市場でも小規模ながら限定公開された。同日にビデオ発売され、同月16日にはレーザーディスクも発売されている[13]。
評価
Rotten Tomatoesには8件の批評が寄せられ、支持率50%となっている[14]。TV Guideは「この映画はオリジナルビデオ形式の続編としては珍しく、劇場公開された前作の続編として相応しいだけではなく、大画面で観るべき作品であることを示している……低予算にもかかわらず、モンスターには依然として完全な説得力がある」と批評している[15]。エンターテインメント・ウィークリーのタイ・バルは「C+」を与え、「数多く存在するオリジナルビデオ形式の続編ほど悪くはない」としてキャストの演技や特殊効果を評価しつつ、物語の後半については「『ジュラシック・パーク』の恥知らずなイミテーションになっている」と酷評した[16]。
出典
- ^ a b “Intro To Tremors II”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ a b “Why Kevin Bacon Didn’t Return for Tremors 2”. ScreenRant. 2021年2月21日閲覧。
- ^ “Story Board”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ “Fully Articulated Shrieker”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ “Hand Puppet Shrieker”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ a b “"Stunt" Shriekers”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ “Refurbished Graboid From Tremors”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ “How to get a Creature's Point Of View”. Stampede Entertainment. 2013年11月3日閲覧。
- ^ “The Ultimate Tremors FAQ - Frequently Asked Questions”. stampede-entertainment.com. 2013年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月21日閲覧。
- ^ a b “Tremors FAQ”. Stampede Entertainment. 2019年10月12日閲覧。
- ^ “The Tremors II production team”. Stampede Entertainment. 2021年2月21日閲覧。
- ^ “TREMORS 2 - Story Boards”. stampede-entertainment.com. 2021年2月21日閲覧。
- ^ “MCA/UNIVERSAL HOME VIDEO LAUNCHES RELEASE OF 'TREMORS 2: AFTERSHOCKS' WITH PREMIERE SCREENING, RECEPTION ON APRIL 9, 1996”. thefreelibrary.com. 2021年2月22日閲覧。
- ^ “"Tremor 2: Aftershocks"”. Rotten Tomatoes. 2021年2月22日閲覧。
- ^ “Tremors 2: Aftershocks: Review”. TV Guide. 2013年12月12日閲覧。
- ^ “Tremors and Tremors 2: Aftershocks”. 2021年2月22日閲覧。
外部リンク
- Tremors 2: Aftershocks | Own & Watch Tremors 2: Aftershocks | Universal Pictures
- Tremors Anthology | Own & Watch Tremors Anthology | Universal Pictures
- Tremors Attack Pack | Own & Watch Tremors Attack Pack | Universal Pictures
- Tremors: The Complete Collection | Own & Watch Tremors: The Complete Collection | Universal Pictures
- Tremors: 7-Movie Collection | Own & Watch Tremors: 7-Movie Collection | Universal Pictures
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- トレマーズ2 - allcinema
- トレマーズ2 - KINENOTE
- Tremors 2: Aftershocks - オールムービー
- Tremors 2: Aftershocks - IMDb
トレマーズ2
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/30 08:57 UTC 版)
詳細は「トレマーズ2」を参照 1996年にビデオリリース。日本では1997年5月23日にビデオがリリースされた。 前作から7年後、メキシコ・チアパス州の油田に絶滅したと思われていたグラボイズが現れる。油田の運営会社は過去にグラボイズを退治した経験のあるアールに退治を依頼。アールはバートと新しい相棒のグラディと共に現地に赴く。
※この「トレマーズ2」の解説は、「トレマーズ」の解説の一部です。
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