トラヤヌスの属州
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/16 19:27 UTC 版)
「メソポタミア属州」の記事における「トラヤヌスの属州」の解説
113年、トラヤヌス (在位: 98年–117年)は東方の宿敵アルサケス朝パルティアへの遠征に乗り出した。114年にはアルメニア王国を征服して属州とし、115年が終わるまでにメソポタミア北部を征服した。この地も116年前半に属州化され、これを祝う硬貨が発行された。 116年のうちにトラヤヌスは中部・南メソポタミアまで征服してメソポタミア属州を拡大し、さらにチグリス川を渡ってアディアバネ王国を征服し、アッシュリア属州とした。さらに同年末にはペルシアの大都市スーサまで侵攻し、パルティアの君主オスロエス1世を廃位し、傀儡のパルタマスパテスを擁立した。ローマ帝国がここまで東方への拡張に成功したのは、後にも先にもない。 しかしトラヤヌスが帰国中に病死すると、帝位を継いだハドリアヌス (在位: 117年–138年)はトラヤヌス帝の征服域の多くを放棄し、遠征以前と同様にユーフラテス川を帝国の防衛線に定めた。
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