トマス・モアの寛容論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/01 23:10 UTC 版)
トマス・モアは著書『ユートピア』の中で架空の国における宗教的な寛容を描き出した。彼が想定したユートピアという国では、多くの宗教が併存しているけれども、そこの住人は世界の創造者たる唯一神ミスラを信仰しているという点で一致している。彼らはこのような宗教的多様性の中で、他の宗教を侵害しないという掟を守っている。そして、この地の王ユートプスも、宗教の自由と諸宗派の平和的共存を命じている。これは、ユートプス王自身が、かつてのこの地の宗教的な混乱に乗じて征服に成功したからであった。このようなトマス・モアの宗教的寛容は、平和的な説諭による改宗を勧め、異端に対する武力的な抑圧を非難したものである。他方で、トマス・モアは、無神論および唯物論については、彼らを公職から遠ざけるべきこと、また宗教的な儀式は自宅で(すなわち私的に)行うべきことを説いている。
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