デモクラシーの理想と現実とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > デモクラシーの理想と現実の意味・解説 

デモクラシーの理想と現実

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/20 13:46 UTC 版)

デモクラシーの理想と現実』(Democratic Ideals and Reality)とは1919年に発表されたハルフォード・マッキンダーによる地政学の古典的な著作である。

概要

マッキンダー自身は地政学という用語を使用しなかったが、その理論は地政学の基礎を構築したものとして後に高く評価されている。この理論は、1904年1月25日に王立地理学会で行った「歴史の地理学的な回転軸」の講演に基づいており、世界史の知識に基づいて世界を動態的な体系として認識するための数多くの概念を発表した。

その理論を構築するために、マハンの『海上権力史論』で展開したシーパワーの概念の再検討から、マッキンダーはランドパワーの概念を導入する。シーパワーは港湾施設や船舶によって移動させることが可能だが、ランドパワーには騎馬やラクダ自動車鉄道などさまざまな交通手段がある。またマッキンダーはユーラシア大陸アフリカ大陸を総合して世界島と概念化した。海洋勢力であるイギリスの外交政策は、ヨーロッパにおける大陸勢力に対して勢力均衡を行ってきた。しかし世界島という全体に対して勢力均衡を行うためには海洋勢力の協力が必要となる。ここでユーラシア大陸の内陸におけるステップ地帯をハートランドと呼称しており、ここはシーパワーが到達できない地域として定義した。

そしてそのハートランドの周辺に位置する三日月地帯を内側の三日月地帯としてここにはヨーロッパからアラビアインド中華などの水陸両用の地帯が含まれる。そしてさらにその外側には外側の三日月地帯として定義され、ここにイギリス日本などの海洋地域が含まれる。このような地政学の世界観で世界情勢を見直した上でマッキンダーは次のような命題を示している。それは「東欧を支配する者はハートランドを制し、ハートランドを支配する者は世界島を制し、世界島を支配する者は世界を制する」というものである。

参考文献

  • Democratic Ideals and Reality: A Study in the Politics of Reconstruction, (Constable, 1919)
    • 『マッキンダーの地政学 デモクラシーの理想と現実』 曾村保信訳、原書房、2008年、旧版1985年

関連項目

外部リンク





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「デモクラシーの理想と現実」の関連用語

デモクラシーの理想と現実のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



デモクラシーの理想と現実のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのデモクラシーの理想と現実 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS