タマツナギ
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タマツナギ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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タマツナギの花(上)と節果(下)
(2025年7月 沖縄県石垣市 平久保崎灯台) |
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分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Pleurolobus gangeticus (L.) J.St.Hil. ex K.Ohashi & H.Ohashi |
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和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
タマツナギ |


タマツナギ(玉繋ぎ、学名:Pleurolobus gangeticus)はマメ科タマツナギ属[1]の常緑亜低木。和名は、円形の小節果が連なる節果の形状にちなむ[2]。
特徴
茎は直立または斜上して高さ0.3–1.5 m。茎は軟毛がある。小葉は1枚の単出複葉で、側脈が斜めに出て目立ち、長さ3–15 cm、幅3.5–7 cmの長楕円形~卵状楕円形で、葉裏に軟毛がある。葉縁は全縁。針状の小托葉が1対ある。葉柄は長さ約1.8 cmで軟毛がある。花序は細長く、頂生の円錐花序または葉腋につく総状花序を形成する。花は長さ約4 mmの淡黄色または淡紫色で、開花期は春~夏。果実は長さ18–22 mm、幅2.5 mmの節果で、やや曲がる。表面に鉤状の毛が密生し、節果の腹縫合線はまっすぐで、背縫合線は小節果間でくびれる。ほぼ円形の小節果4–8個が連なる[3][4][2][5]。
分布と生育環境
アジア、オーストラリア、アフリカの熱帯~亜熱帯に分布[2][5]。日本では先島諸島[1]の宮古島、石垣島、小浜島、西表島へ稀に自生する[6][5]。日当たりの良い低地原野に生育する[4]。
属の分類と名称の変遷
かつて本種が所属していたDesmodium(旧ヌスビトハギ属→旧シバハギ属)は多系統であったことから細分化され、本種は2018年にタマツナギ属Pleurolobusへ移され1属1種となった[1]。従来の図鑑等では以前のDesmodium属で表記されていることが多いが、YList[7]やPOWO[8]では既にPleurolobus属とされていることから、本項では後者に従いPleurolobus属と表記する。
脚注
- ^ a b c (Ohashi et al. 2018, p. 184)
- ^ a b c (大橋 1997, pp. 294, 296)
- ^ (湯浅 & 前川 1987, p. 166)
- ^ a b (池原 1989, p. 231)
- ^ a b c (大橋 2021, p. 456)
- ^ (大川 & 林 2016, p. 99)
- ^ “Pleurolobus gangeticus (L.) J.St.Hil. ex K.Ohashi et H.Ohashi”. YList 植物和名-学名インデックス. ylist.info. 2025年7月2日閲覧。
- ^ “Pleurolobus gangeticus (L.) J.St.-Hil. ex H.Ohashi & K.Ohashi” (英語). Plants of the World Online. Kew Science. 2025年7月2日閲覧。
参考文献
- 湯浅浩史; 前川文夫「タマツナギ Desmodium gangeticum」『マメ科資源植物便覧』(財)日本科学協会、1987年。ISBN 9784887162266。
- 池原直樹「タマツナギ Desmodium gangeticum」『沖縄植物野外活用図鑑 第7巻 シダ植物~マメ科』新星図書出版、1989年。
- 大橋広好 著「タマツナギ Desmodium gangeticum」、岩槻邦男ら監修 編『朝日百科 植物の世界』 4巻、朝日新聞社、東京、1997年、294, 296頁。 ISBN 9784023800106。
- 大川智史; 林将之「タマツナギ Desmodium gangeticum」『ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑』文一総合出版、東京都新宿区、2016年。 ISBN 9784829984024。
- Ohashi K, Ohashi H, Nemoto T, Ikeda T, Izumi H, Kobayashi H, Muragaki H, Nata K, Sato N, Suzuki M (2018), “Phylogenetic Analyses for a New Classification of the Desmodium Group of Leguminosae Tribe Desmodieae”, Journal of Japanese Botany 93 (3): 165–189
- 大橋広好 著「タマツナギ Desmodium gangeticum」、大橋広好・門田裕一・木原浩・邑田仁・米倉浩司 編『フィールド版改訂新版 日本の野生植物』 1巻、平凡社、2021年、456頁。 ISBN 9784582535389。
外部リンク
- タマツナギのページへのリンク