ステーブルフォードとは? わかりやすく解説

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ステーブルフォード (Stableford)

競技方式一つで 各プレーヤーストローク数で競うではなくそれぞれのホール獲得 または 失う得点合計競う方式で、最もオーソドックスなものは クラシック・ステーブルフォード方式 (Classic Stableford Scoring System) と呼ばれイーグル = 5点バーディ = 2点パー = 0点ボギー = -1点ダブルボギー以上は一律 -3点というものであるその他に変則ステーブルフォード方式 (Modified Stableford Scoring System) といって得点配分変えたものがある。ハンディキャップベースの競技では 各選手ハンデによって持ち点 (Quota) が決められ それとステーブルフォードで獲得した得点との差で競い合う競技外国では良く行われる
 
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ステーブルフォード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/13 15:20 UTC 版)

ステーブルフォード (Stableford) はゴルフのスコアリング方法の一つ。ストロークプレーにおいて、トータルのストローク数をカウントするのではなく、各ホールごとにそのストローク数を基に点数(ポイント)を記録する。従来法では最少スコアを得ることが目的であるのに対し、ステーブルフォードでは最高ポイントを得ることが目的になる。

概要

このスコア方法は、フランク・バーニー・ゴートン・ステーブルフォード博士(Dr. Frank Barney Gorton Stableford、1870年 – 1959年)により発案され、一つあるいは二つだけの極端にスコアが悪いホールのためにゴルファーがそのラウンドを放棄してしまうことを抑止するものだった。1898年にウェールズのペンアルス (Penarth) にあるグラモーガンシャーゴルフクラブ (Glamorganshire Golf Club) で非公式であるが初めて使われた。1932年、イングランドのウォラシー (Wallasey) にあるウォラシーゴルフクラブで試合に使用された。試合に使用されるまでに長期間を要したのは、ステーブルフォード博士がグラモーガンシャーとウォラシーのメンバーであったが、その中間の1920年代のほとんどをウェールズのアングルシーゴルフクラブ (The Anglesey Golf Club) のメンバーとして過ごしたことがその理由となっている[1][2]

ステーブルフォードでは、ポイントを獲得できる見込みがなくなったらカップインまでプレーする必要はなく、単にボールを拾い上げて次のホールに進むことができるため[3]、プレーのペースを速めることができるという利点がある。クラブレベルの試合、特に英国ではこの形態でのプレーに人気がある。これは、時折多くのストロークを費やす酷いホールを生じさせてもまだ挽回が可能であることがその理由となっている[4]

スコアリング

各ホールで与えられるポイント数は、実際に費やした打数と基準ストローク数(大抵はそのホールのパー数)を比較して実打数がどれだけ良い / 悪いかにより決定される。この基準ストローク数はプレーヤーのハンディキャップにより調整することもできる。調整後の基準ストローク数に対して2打以上多く打った場合、もうポイントは得られないので、そのホールを放棄して次のホールに進んでよい。このことによりいくつかの悪い(酷い)ホールがあっても十分に挽回するチャンスがある。ラウンド終了時、各ホールで得たポイント数を合計してこれをそのラウンドのスコアとする。一番多くのポイントを得た者が勝者となる[3][5]。最終スコアは競技用に考案された「競技ステーブルフォード調整 (Competition Stableford Adjustment)」システムを用いて修正されることもある。

英国では、各ホールに1から18までの数値で表示されているストロークインデックス (stroke indexes, SI) に従って基準スコアが調整される。例えばハンディキャップ12の選手は SI が 1 から 12 までのホールではパーの数値に1を加えて基準スコアとする、またハンディキャップ 24 の選手では SI が 1 から 6 までのホールではパー数に2を加え、残りのホールでは1を加えて基準スコアとする。ハンディキャップがプラス数値のプレーヤーは SI の大きいホールから順に1を引き算する[6]

R&A および USGA(米国ゴルフ協会)が指定する、ホールごとに付与されるポイント数は次のとおりとなっている[7]

ポイント 調整後基準スコアに対するストローク数
0 2ストロークオーバー、または記録なし
1 1ストロークオーバー
2 同一ストローク数
3 1ストロークアンダー
4 2ストロークアンダー
5 3ストロークアンダー
6 4ストロークアンダー

このバージョン(リニアスコア)のステーブルフォードはダブルボギー (+2) より打数の多いホールは存在しないという以外は通常のストロークプレーと本質的には同じである。

モディファイド(修正)ステーブルフォード

上記標準ステーブルフォードに対して、異なるポイントレベルを設定したのがモディファイド(改良)ステーブルフォード (Modified Stableford) であり、高ポイントの出るシステムである。プロゴルフでは2019年のPGAツアーにおけるバラクーダ選手権[8]で用いられたスコアテーブルを下記に示す。

ポイント パーに対するストローク数
+8 アルバトロス (3ストロークアンダー)
+5 イーグル (2ストロークアンダー)
+2 バーディー (1ストロークアンダー)
0 パー
−1 ボギー (1ストロークオーバー)
−3 ダブルボギーまたはそれ以上(2ストロークオーバー)

このポイントスケールはパーより多く打った際のペナルティーよりもアンダーパーのスコアがより高ポイント付与につながるので積極的プレーが促進される。最大打数は2オーバーパー、あるプレーヤーがパーより1打多く打った時点でコンシードしてボールをピックアップしてダブルボギーとし、次ホールに進むことが許される。

プロのトーナメント

ステーブルフォードシステムを採用するプロトーナメントはほとんどない。

PGAツアーでステーブルフォードを初めて採用したのはコロラドのジインターナショナル (The International) で、プロの技量レベルに合わせたモディファイドステーブルフォードで積極的なプレーを奨励したが[9]、21年後の2006年限りでこの大会は無くなってしまった[10]。モディファイドステーブルフォードがPGAツアーに戻ってきたのは2012年のリノタホオープン (Reno-Tahoe Open) で、いずれのトーナメント会場も高度の高い場所にある。

ヨーロピアンツアーでは、2002年から3年間開催されたANZ選手権 (ANZ Championship) で、ジインターナショナルと同じモディファイドステーブルフォードが使用された[11]。サンシャインツアーのインベステックロイヤルスワジオープン (Investec Royal Swazi Open) は2003年からステーブルフォードが続いている[12]チャンピオンツアーでは二つの大会でステーブルフォードが短期間採用された(ロイヤルカリビアンクラシック (Royal Caribbean Classic) では2000年と2001年[13]、ユナイティングフォアケアクラシック (Uniting Fore Care Classic) では2002年)。後者は当該トーナメントの廃止を何とか避けようとする最後の試みの一つだった[14]

ネバダ州ステートラインのエッジウッドタホゴルフコース (Edgewood Tahoe Golf Course) で行われた有名なトーナメントであるアメリカンセンチュリーチャンピオンシップ (The American Century Championship) は、2004年以降モディファイドステーブルフォードスコアリング形式を使用している[15]。ここもまた、高地にある。

LPGAシーズンオープニング大会の一部であるダイヤモンドリゾーツトーナメントオブチャンピオンズ (Diamond Resorts Tournament of Champions) の「セレブリティ及びアマチュアの部 (celebrity and amateur division)」は、モディファイドステーブルフォードシステムで行われる。最大スコアはダブルボギーとなっている。

日本ゴルフツアー機構(JGTO)ツアー大会では1998年の「アコムインターナショナル」を最後に長らく採用されていなかったが、2022年より新設された大会である「For The Players By The Players」がこの方式を採用している[16]

脚注

  1. ^ Corrigan, Peter (2008年8月3日). “The Hacker: With a name like Stableford, we've got to name a horse after him”. The Independent. https://www.independent.co.uk/sport/golf/the-hacker-with-a-name-like-stableford-weve-got-to-name-a-horse-after-him-883681.html 2009年7月21日閲覧。 
  2. ^ Dr Frank Stableford”. Wallasey Golf Club. 2009年7月2日閲覧。[リンク切れ]
  3. ^ a b “How stableford scoring works”. BBC Sport. (2005年9月16日). http://news.bbc.co.uk/sport1/hi/golf/rules_and_equipment/4749261.stm 2009年7月21日閲覧。 
  4. ^ Stableford celebrates 100 years”. Golf Today (1998年9月30日). 2009年7月21日閲覧。[リンク切れ]
  5. ^ Rule 32. Bogey, Par and Stableford Competitions”. United States Golf Association. 2009年7月21日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ Rules of Stableford Scoring”. Golf Today. 2009年7月21日閲覧。[リンク切れ]
  7. ^ Rule 32”. USGA. 2013年3月17日閲覧。
  8. ^ Barracuda Championship – 2019 Leaderboard”. PGA Tour. 2019年7月27日閲覧。
  9. ^ John Antonini (2006年8月9日). “Modified Stableford system benefits aggressive player”. ESPN. http://sports.espn.go.com/golf/news/story?id=2544451 2009年7月2日閲覧。 
  10. ^ Ferguson, Doug (2007年2月8日). “International tournament cancellation leaves July hole in PGA Tour schedule”. USA Today. https://www.usatoday.com/sports/golf/pga/2007-02-07-international_x.htm 2009年7月2日閲覧。 
  11. ^ McGuire, Bernie (2002年2月6日). “Mixed points of view”. The Telegraph. https://www.telegraph.co.uk/sport/golf/2430111/Mixed-points-of-view.html 2008年11月23日閲覧。 
  12. ^ Moore chips away at Swazi title”. Independent Online (2003年5月16日). 2009年7月21日閲覧。[リンク切れ]
  13. ^ “Champions Ready to Resume Action”. Golf Channel. (2004年1月30日). http://www.thegolfchannel.com/tour-insider/champions-ready-resume-action-11898/ 2009年7月21日閲覧。 [リンク切れ]
  14. ^ Mike Sorensen (2007年8月2日). “Five years after folding up its tent in Park City, Champions Tour going strong”. Deseret News. http://www.deseretnews.com/article/1,5143,695197025,00.html 2009年7月21日閲覧。 
  15. ^ Fact Sheet”. Golf Channel. NBC Sports. 2017年4月25日閲覧。
  16. ^ "24年ぶりステーブルフォード方式 「選手による、選手たちのための試合」". GDOニュース. Golf Digest Online Inc. 4 October 2022. 2022年10月9日閲覧

外部リンク


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