スウィーピングの効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 09:15 UTC 版)
スウィーピングによりストーン前面の氷をこすることで、ストーンの摩擦を減少させ速度を保つことができる。結果的に速度を保ったストーンは、大きくカールし出す地点も遅くなり、またハウス内では曲がったコースのままより先へと進めることができる。一般にこの摩擦の減少は、ブラシとペブルとの間の摩擦熱によってペブルの表面をわずかに溶かし、水の膜を形成しているためだと説明される。一方で、ウェスタン・オンタリオ大学の研究者は、計測の結果温度上昇はわずかなものであり、実際には氷を溶かすのではなく、スウィーピングによって氷の微粒子が形成されてそれが潤滑剤として働いているのだとしている。 またスウィーピングには、ブラシをストーンの進路に対して斜めに置くとする古い流儀と、直角に置くとする最近の流儀とがあるが、生体力学研究者のジェンキン (Tom Jenkyn) は、前者が均一に氷を暖めるのに対し、後者はムラができ効率がよくないとしている。このスウィーピングにおいて、遅くても力をかける方がよいか、力が弱くなっても素早くスウィープする方がよいかという2つの選択肢がある。マーモー (B.A. Marmo) らによるモデル解析では、ブラシの位置だけを考えた場合にはかける力を大きくする方がはるかに効率的であるが、同じ氷を複数回ブラシがこするほうがさらに熱が発生するため、全体としてはハウスの近くでは素早くスウィープする方が効率的であるとする。ただしストーンが素早く動いている間は同じ場所をスウィープできないため、力をかけたスウィーピングの方が効率的である。
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