ジャズ・イン・ザ・ガーデンとは? わかりやすく解説

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ジャズ・イン・ザ・ガーデン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/01/06 08:55 UTC 版)

ジャズ・イン・ザ・ガーデン
スタンリー・クラーク・トリオ の スタジオ・アルバム
リリース 2009年4月15日[1]
2009年5月12日[2]
2009年6月29日[2]
録音 2008年12月13日 - 14日 ロサンゼルス マッド・ハッター・スタジオ[3]
ジャンル ジャズ
時間 66分18秒(日本流通盤)
レーベル ヘッズ・アップ・インターナショナル
プロデュース スタンリー・クラーク、デイヴ・ラヴ
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 23位(日本[1]
スタンリー・クラーク 年表
ザ・トイズ・オブ・メン
(2007年)
ジャズ・イン・ザ・ガーデン
(2009年)
スタンリー・クラーク・バンド フィーチャリング 上原ひろみ
(2010年)
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ジャズ・イン・ザ・ガーデン』(Jazz in the Garden)は、スタンリー・クラーク・トリオが2009年に発表したスタジオ・アルバム。クラークの所属レーベルであるヘッズ・アップ・インターナショナルが原盤権を有しているが、日本のユニバーサルミュージックから直輸入盤仕様で先行発売された[4]リターン・トゥ・フォーエヴァー時代の盟友レニー・ホワイトと、日本人ピアニストの上原ひろみを迎えて制作され、上原の参加したスタジオ・アルバムとしては初のストレート・アヘッド・ジャズ英語版作品となった[5][6]

背景

クラークは以前から上原のことを知っていたが、共演の直接のきっかけは、長年クラークと親交の深かったチック・コリアの推薦だったという[7]。上原は自作の新曲「シシリアン・ブルー」と「ブレイン・トレーニング」を提供し[5][6]、また、マイルス・デイヴィスのカヴァー「ソーラー」は上原のアイディアで録音された[8]

クラークの新曲「パラダイム・シフト」は、2008年アメリカ合衆国大統領選挙で当選を果たしたバラク・オバマに捧げられている[8][9]。「テイク・ザ・コルトレーン」は、デューク・エリントンジョン・コルトレーンとの共演盤『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』(1962年)のために書き下ろした曲のカヴァーで、この曲はクラークとホワイトのデュオで録音された[8]。一方、アニメーション映画『白雪姫』挿入歌「いつか王子様が」のカヴァーと即興曲「グローバル・テュウィーク」は、クラークと上原のデュオによる演奏である[8]。「アンダー・ザ・ブリッジ英語版」は、レッド・ホット・チリ・ペッパーズが1991年にシングル・ヒットさせた曲のカヴァー。

上原は2009年8月のインタビューで、クラーク及びホワイトとの共演について「2人のインタープレイを目の当たりにするのは、豪華なボートに乗っているような気分だった」と語っている[10]

反響・評価

アメリカの『ビルボード』ではコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで5位、ジャズ・アルバム・チャートで12位に達した[11]。日本のオリコンチャートでは10週チャート入りし、最高23位を記録した[1]

Michael G. Nastosはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「熟達したピアノ、ベース、ドラムのトリオによる完成度の高いスタンダード曲の演奏という域を超え、元ネタは何であれ、自分達の言葉で新鮮かつ独創的な新しい音楽を創造している」と評している[9]。John Fordhamは『ガーディアン』紙のレビューで5点満点中4点を付け「活気と喜びに満ちたトリオ作品で、正に驚くしかない」と評している[12]。また、スティーヴ・ホロヴィッツはPopMattersにおいて10点満点中7点を付け「このような小編成であることから予想できるように、このレコードは穏やかで、意味のある沈黙に満たされている。しかし、それは実験的でないという意味ではない」「クラークと仲間達は、高速で澱みなく硬質な演奏を駆使して、聴き手を未知への旅に連れていく」と評している[2]

収録曲

  1. パラダイム・シフト - "Paradigm Shift (Election Day 2008)" (Stanley Clarke) - 7:43
  2. さくらさくら - "Sakura Sakura" (Traditional) - 5:33
  3. シシリアン・ブルー - "Sicilian Blue" (Hiromi Uehara) - 4:48
  4. テイク・ザ・コルトレーン - "Take the Coltrane" (Duke Ellington) - 3:30
  5. スリー・ロング・ノーツ - "3 Wrong Notes" (S. Clarke) - 5:47
  6. いつか王子様が - "Someday My Prince Will Come" (Frank Churchill, Larry Morey) - 4:56
  7. アイソトープ - "Isotope" (Joe Henderson) - 5:27
  8. ベース・フォーク・ソング No. 5 & 6 - "Bass Folk Song No. 5 & 6" (S. Clarke) - 4:02
  9. グローバル・テュウィーク - "Global Tweak" (S. Clarke, H. Uehara) - 3:43
  10. ソーラー - "Solar" (Miles Davis) - 5:14
  11. ブレイン・トレーニング - "Brain Training" (H. Uehara) - 4:52
  12. アンダー・ザ・ブリッジ英語版 - "Under the Bridge" (Michael Balzary, Anthony Kiedis, Chad Smith, John Frusciante) - 5:30

日本流通盤ボーナス・トラック

  1. エルズ・バップ - "L's Bop" (Lenny White) - 5:04

参加ミュージシャン

脚注・出典

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  1. ^ a b c ORICON STYLE
  2. ^ a b c Horowitz, Steve (2009年8月31日). “Stanley Clarke Trio: Jazz in the Garden”. PopMatters. 2016年1月6日閲覧。
  3. ^ CD英文ブックレット内クレジット
  4. ^ CD『ジャズ・イン・ザ・ガーデン』(UCCT-1212)帯
  5. ^ a b 上原ひろみ、初めてのストレート・アヘッドなアルバムをスタンリー・クラーク・トリオとしてリリース”. BARKS (2009年4月16日). 2016年1月6日閲覧。
  6. ^ a b 上原ひろみの新作はスタンリー・クラーク、レニー・ホワイトとのスーパー・トリオ!!”. CDJournalニュース. 音楽出版社 (2009年4月3日). 2016年1月6日閲覧。
  7. ^ Varty, Alexander (2010年6月23日). “Stanley Clarke pays tribute to pioneering fusion bands”. The Georgia Straight. Vancouver Free Press. 2016年1月6日閲覧。
  8. ^ a b c d 日本流通盤CD (UCCT-1212)ライナーノーツ(成田正、2009年3月)
  9. ^ a b Nastos, Michael G.. “Jazz in the Garden - Stanley Clarke, Stanley Clarke Trio”. AllMusic. 2016年1月6日閲覧。
  10. ^ Kaye, Robert (2009年8月21日). “Hiromi Interview: Sonic Song Weaver”. Abstract Logix. 2016年1月6日閲覧。
  11. ^ Jazz in the Garden - Stanley Clarke, Stanley Clarke Trio | Awards | AllMusic
  12. ^ Fordham, John (2009年7月17日). “Stanley Clarke Trio: Jazz in the Garden”. The Guardian. Guardian News and Media. 2016年1月6日閲覧。



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