シティ・オブ・ニューヨーク (客船)とは? わかりやすく解説

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シティ・オブ・ニューヨーク (客船)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/29 21:18 UTC 版)

シティ・オブ・ニューヨーク (客船)
基本情報
所有者 インマン・ライン
建造所 J. & G. Thomson[1][2]
経歴
進水 1888年3月15日
就航 1888年8月1日
その後 1922年に解体
要目
総トン数 10,508トン(29,755 m³)
排水量 17,270トン
全長 560フィート(171m)
全幅 63フィート(19.3m)
機関方式 蒸気機関、スクリュー2軸、28,000馬力
速力 20ノット
旅客定員 1290
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シティ・オブ・ニューヨークSS City of New York)後のニューヨークSS New York)は、インマン・ラインの所有したオーシャン・ライナーで、後にアメリカン・ライン、アメリカ海軍へ移籍した。シティ・オブ・ニューヨークはスコットランド・クライドバンクのジョン・ブラウン・アンド・カンパニーで、1888年3月15日に進水した。処女航海は同年8月1日で、1892年ブルーリボン賞を受賞、翌年にキュナード・ラインのカンパニアに記録を破られるまでそれを保持した。シティ・オブ・ニューヨークは34年間使用され、1922年にスクラップとなった。

歴史

シティ・オブ・ニューヨークは1888年3月15日に進水し、5ヶ月後にリバープール - ニューヨーク間の処女航海を行った。姉妹船に当時世界最大、最速のシティ・オブ・パリが存在し、シティ・オブ・ニューヨークは最大ではなかったものの、非常に豪華であった。水道には温水と冷水の2種類が存在し、換気設備や電気照明、1等客のデッキには図書館や喫煙室、食堂にはガラス照明のドームがあった。

1892年、シティ・オブ・ニューヨークは姉妹船シティ・オブ・パリの記録を破りブルーリボン賞を受賞した。その後、シティ・オブ・ニューヨークはアメリカン・ラインに移籍し、ニューヨークと改名した。その後ニューヨークは5年間ニューヨーク - サウサンプトン間の定期船として使用された。


ハーバードとして

1898年アメリカ合衆国スペインに宣戦布告し、アメリカ政府はニューヨークを武装商船として徴用した。この際、船名をハーバードUSS Harvard)と改名し、開戦をきっかけに1898年4月26日から使用された。戦後は1898年9月2日に任務を解かれた。

客船として復帰

1899年1月、ニューヨークは再び民間船としてニューヨーク - サウサンプトン間の定期船となった。その航海の途中でエンジンが故障し、3ヶ月間修理を受けた。その際に改装され、機関部を修理し、3本あった煙突は2本に減らされた。そして1903年4月14日に再び航路についた。

1912年4月10日、客船オーシャニックのそばに停泊していたニューヨークは、処女航海に出発しようとしていたタイタニックのスクリューの水流に巻き込まれ、衝突しそうになった。このときタイタニックの船長エドワード・スミスは、すぐにスクリューを逆回転させ、タグボートを利用して両船を引き離したため、辛うじて衝突は免れた。

1913年、ニューヨークは再び改装を受け、2等船室と3等船室のみになった。そして航路も変更され、通常のサウサンプトン - ニューヨークからリヴァプール - ニューヨーク間となった。

プラットスバーグとして

1918年アメリカ合衆国ドイツに宣戦布告したのをきっかけに、ニューヨークは再び徴用された。その際、プラットスバーグUSS Plattsburg)と改名した。

その後

第一次世界大戦の後、ニューヨークは1920年に客船として復帰した。9ヶ月間アメリカン・ラインにとどまったが、その後ポーランドの企業に移籍した。改名はせずに使用されたが、所有していた会社が倒産したため、1922年にアイリッシュ・アメリカン・ラインに移籍した。しばらくはその会社が所有していたが、再びユナイテッド・トランスアトランティック・ライン、アメリカン・ブラック・シー・ラインに移籍した。最後の航海は1922年6月10日で、ニューヨーク - ナポリ - コンスタンティノポリス間を航行した。その後にスクラップとなった。

その後、タイタニックに関連した映画で、度々ニューヨークが出てくることがあった。

脚注

外部リンク

記録
先代
シティ・オブ・ローマ
世界最大の客船
1888年~1893年
次代
カンパニア
先代
シティ・オブ・パリ
ブルーリボン賞 (船舶)(東回り航路)保持船舶
1892年~1893年



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