コリンダ・グラバル=キタロヴィッチとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > コリンダ・グラバル=キタロヴィッチの意味・解説 

コリンダ・グラバル=キタロヴィッチ

(コリンダ・グラバル・キタロビッチ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/11 08:49 UTC 版)

コリンダ・グラバル=キタロヴィッチ
Kolinda Grabar-Kitarović

コリンダ・グラバル=キタロヴィッチ(2015)

任期 2015年2月18日2020年2月18日
首相 ゾラン・ミラノヴィッチ
ティホミル・オレシュコヴィッチ英語版
アンドレイ・プレンコビッチ

クロアチア
外務・欧州担当大臣
任期 2005年2月17日2008年1月12日
首相 イーヴォ・サナデル

クロアチア
欧州統合大臣
任期 2003年12月23日2005年2月17日
首相 イーヴォ・サナデル

出生 (1968-04-29) 1968年4月29日(57歳)
ユーゴスラビア
クロアチア社会主義共和国リエカ
政党 クロアチア民主同盟
出身校 ザグレブ大学・人文社会科学部
ウィーン外交アカデミー
配偶者 ヤコヴ・キタロヴィッチ
子女 ルカ、カタリナ
宗教 カトリック教会

コリンダ・グラバル=キタロヴィッチ[1]クロアチア語: Kolinda Grabar-Kitarović1968年4月29日 - )は、クロアチア外交官政治家である。2015年より同国大統領を1期5年務めた[2]。同国初の女性大統領である[2]

2011年から2014年まで、北大西洋条約機構(NATO)の広報外交担当の事務次官補であり[3]、NATOで初の女性の事務次官補であった。イーヴォ・サナデルクロアチアの首相を務めたとき、欧州担当大臣(2003年 - 2005年)、外務・欧州担当大臣(2005年 - 2008年)、アメリカ合衆国駐箚クロアチア大使(2008年 - 2011年)を務めた[4]

クロアチア民主同盟に属し、三極委員会の一員である。

出自

ユーゴスラビア社会主義連邦共和国クロアチア社会主義共和国リエカに生まれ、少年期をアメリカ合衆国で過ごしロスアラモスの高等学校を卒業する[5]。その後ザグレブ大学人文社会科学部で学び、1992年に学士号を取得する[3]。1995年から1996年にかけて、ウィーン外交アカデミーに在籍し、2000年にザグレブ大学政治科学部の修士課程を修了する[4][3]

2002年から2003年にかけてジョージ・ワシントン大学フルブライト・プログラムに参加する[6][7]

ハーバード大学ケネディスクールのルクシッチ奨学金研究員、ジョンズ・ホプキンス大学ポール・H・ニッツェ高等国際関係大学院の客員研究員を務めた[3]

来歴

1992年、クロアチア科学技術省で国際協力を担当する顧問官となった[8]。1993年には外務省に転籍する[8]。1995年には外務省北アメリカ局長に就任し、1997年までその地位にあった[8]。1997年にカナダ駐箚クロアチア大使館参事官、1998年10月に公使参事官となり[9]、2000年までカナダに駐在した。2001年、外務省の参事官となり、2003年まで務めた[9]。2003年11月、クロアチア民主同盟(HDZ)の一員としてクロアチア議会の議員に選出された[10]。2003年12月にイーヴォ・サナデルを首班として組閣された際、欧州統合担当大臣に任命され、2004年からクロアチアの欧州連合加盟交渉を率いる[3]。その後、2005年2月に外務省と欧州統合省を合併して外務・欧州担当省が新設されると、同省の大臣に任命された[8]。在任中、クロアチアの欧州担当およびNATOへの加盟交渉などが重要課題であった[3]。2008年1月、前年の総選挙を受けて内閣が再編された際、外務・欧州担当大臣の地位はゴルダン・ヤンドロコヴィッチ英語版へと継承された[11][12]

大統領

2012年9月、日刊紙ユタルニ・リスト英語版は、グラバル=キタロヴィッチが2015年の大統領選挙におけるクロアチア民主同盟の立候補者候補となっていると報じた[13]。2014年、クロアチア社会民主党に属する現職のイヴォ・ヨシポヴィッチへの対立候補として、クロアチア民主同盟はグラバル=キタロヴィッチを擁立したことが発表された[14]。2014年12月の第1回目の投票ではヨシポヴィッチに次ぐ37.22%の得票率を得て決選投票への進出を決め[15]、ヨシポヴィッチとの決選投票では50.4%の得票率で当選を果たした[16]

2019年12月22日執行の大統領選挙英語版では得票率でゾラン・ミラノヴィッチ元首相の約30%に次ぐ27%で2位となり[17]、2020年1月5日の決選投票では得票率47.3%で落選した[18]。2020年2月18日に任期満了で退任。

私生活

1996年にヤコヴ・キタロヴィッチ(Jakov Kitarović)と結婚し、カタリナ(Katarina)、ルカ(Luka)の2児を持つ[19][20]クロアチア語のほか、英語スペイン語ポルトガル語を流暢に話し、またドイツ語フランス語イタリア語の基礎知識も持つ[3][8]

脚注

  1. ^ 日本語メディアではコリンダ・グラバルキタロビッチといった表記も
  2. ^ a b “Grabar-Kitarovic elected Croatia's first woman president” (英語). BBC News. (2015年1月11日). https://www.bbc.com/news/world-europe-30765822 2025年8月11日閲覧。 
  3. ^ a b c d e f g NATO. “Kolinda Grabar-Kitarović, President of Croatia” (英語). NATO. 2025年8月11日閲覧。
  4. ^ a b Embassy of Croatia in Washington: Biography of the Ambassador”. us.mfa.hr. 2025年8月11日閲覧。
  5. ^ Croatian Foreign Minister Kolinda Grabar-Kitarovic to Speak Feb. 14”. Library of Congress, Washington, D.C. 20540 USA. 2025年8月11日閲覧。
  6. ^ AllGov - Officials”. www.allgov.com. 2025年8月11日閲覧。
  7. ^ Former GW Student to Receive University's Highest Honor”. www2.gwu.edu. 2025年8月11日閲覧。
  8. ^ a b c d e MVEP: CV of mr.sc. Kolinda Grabar Kitarović”. www.mvep.hr. 2025年8月11日閲覧。
  9. ^ a b “Kolinda GRABAR-KITAROVIC - European Forum Alpbach” (英語). European Forum Alpbach. https://www.alpbach.org/en/person/kolinda-grabar-kitarovic/ 2025年8月11日閲覧。 
  10. ^ Ambassador Kolinda Grabar-Kitarović”. 2025年8月11日閲覧。
  11. ^ Thanh Khanh (2025年8月11日). “fo88” (英語). fo88.pics. 2025年8月11日閲覧。
  12. ^ Svi hrvatski ministri vanjskih poslova”. 2025年8月11日閲覧。
  13. ^ Jutarnji list - MESSI PREVARIO FANOVE 'Platili smo 2500 dolara da upoznamo Lea, a on je odletio na Ibizu'” (クロアチア語). www.jutarnji.hr (2013年7月9日). 2025年8月11日閲覧。
  14. ^ Ivo Josipović ili Kolinda Grabar Kitarović - evo što kaže prvo istraživanje!” (クロアチア語). www.vecernji.hr. 2025年8月11日閲覧。
  15. ^ Crveno i plavo: Pogledajte kako su glasali vaši susjedi i prijatelji” (クロアチア語). www.vecernji.hr. 2025年8月11日閲覧。
  16. ^ “Croatians Elect Kolinda Grabar-Kitarovic as Their First Female President (Published 2015)” (英語). (2015年1月12日). https://www.nytimes.com/2015/01/12/world/europe/croatians-elect-kolinda-grabar-kitarovic-as-their-first-female-president.html?_r=0 2025年8月11日閲覧。 
  17. ^ Croatia presidential race to go to runoff on January 5” (英語). euronews (2019年12月22日). 2025年8月11日閲覧。
  18. ^ “Rezultati DIP-a: Milanović pobijedio Grabar-Kitarović s nešto više od pet posto prednosti”. スロボドナ・ダルマツィヤ. (2020年1月5日). https://slobodnadalmacija.hr/novosti/hrvatska/clanak/id/641723/rezultati-dip-a-milanovic-u-prednosti-nesto-vise-od-pet-posto 2020年1月5日閲覧。 
  19. ^ Suprug Kolinde Grabar Kitarović konačno izašao iz sjene”. tportal.hr. 2025年8月11日閲覧。
  20. ^ “Moj suprug nije papučar nego moderan muškarac - Gloria.hr” (クロアチア語). Gloria.hr. http://www.gloria.hr/kolinda-grabar-kitarovic-moj-suprug-nije-papucar-nego-moderan-muskarac/ 2025年8月11日閲覧。 

外部リンク

公職
先代
イヴォ・ヨシポヴィッチ
クロアチア共和国大統領
第4代:2015年 - 2020年
次代
ゾラン・ミラノヴィッチ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「コリンダ・グラバル=キタロヴィッチ」の関連用語

コリンダ・グラバル=キタロヴィッチのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



コリンダ・グラバル=キタロヴィッチのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのコリンダ・グラバル=キタロヴィッチ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS