ケーク・ウォークとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ケーク・ウォークの意味・解説 

ケークウォーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/31 04:47 UTC 版)

ケークウォークダンス。1903年

ケークウォーク(Cakewalk)とは、黒人の間で発祥したダンスの一種。2拍子の軽快なリズムからなる。これより派生して、簡単なこと、楽勝を意味する単語としても使われる[1]

起源

19世紀末にアメリカ合衆国南部[注釈 1]ミンストレル・ショーからでたもっとも有名なダンスステップの一つとなり[2]、20世紀にヨーロッパへもたらされ流行した。またアメリカ南部へ伝播されジャズの起源のひとつともなった。一説にはケーキを賭けて巧さを競い合って踊ったという。

クロード・ドビュッシーはこのダンスを題材にいくつかの曲を書いている。以下参照。中でも「ゴリウォーグのケークウォーク」は有名。

  • ゴリウォーグのケークウォーク (Children's Corner - 6. Golliwogg's Cake-Walk, 1908)(組曲「子供の領分」より)
  • 小さな黒人 (Le petit Negre, 1909)
  • ミンストレルズ (Préludes: Premier Livre - 12. Minstrels, 1910)(前奏曲集 第1巻より)
  • 風変わりなラヴィーヌ将軍 (Préludes: Deuxième Livre - 6. Général Lavine - Excentrique, 1913)(前奏曲集 第2巻より)

20世紀初頭のパリには、モンパルナス地区に格安の黒人ダンスホールが興り、最初はパリ在住の黒人同士で踊っていたが、後に白人の客、特に婦人方を交えて踊ることが流行った。これが当地界隈に集まった芸術家たちの間で話題になった。ギヨーム・アポリネール藤田嗣治らも見物に訪れたという。あまりに繁盛しすぎたため、黒人客の出入りを嫌った住民の苦情と地主の都合で早々に店じまいに追い込まれたというが、これが20世紀初頭のパリで黒人文化を流行らせた発端の一つであったことは間違いない。この黒人ダンスホールについてはモンパルナス博物館に写真や当時の素描のパネルが展示されている。これらは後期印象派や、前述のアポリネールを取り巻く藤田やピカソなどその後進世代の画家、あるいは前述のドビュッシーやプーランク(初期に「黒人狂詩曲」という作品がある)といった音楽家たちにカルチャーショックを与え、ひいてはダダイスム運動へと繋がっていく。

ケークウォークのダンスコンテストの賞品としてケーキが使われたところから、優勝する、際立っているを意味するフレーズtake the cakeが生まれた(悪い意味にも使われる)[3]

注釈

  1. ^ 大邸宅に住む白人のもったいぶった礼儀作法の物真似から始まったと説明されることが多い[2]

脚注

  1. ^ cakewalk英辞郎
  2. ^ a b L・ジョーンズ『ブルース・ピープル』平凡社ライブラリー、2011年、148頁。 
  3. ^ take the cake英辞郎

外部リンク


「ケークウォーク」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ケーク・ウォーク」の関連用語

ケーク・ウォークのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ケーク・ウォークのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのケークウォーク (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS