クラシックギター_(器楽)とは? わかりやすく解説

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クラシックギター (器楽)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/30 18:36 UTC 版)

19世紀のギタリスト、マッテオ・カルカッシ

器楽のジャンルとしてのクラシックギターは、クラシック・ギターを使用するクラシック音楽のことである。

概要

現在で言うところのクラシック音楽のうち、ギターを用いた演奏や楽曲は、ルネサンス期から存在していた。続くバロック期古典派ロマン派の作曲家たちの中にも、ギターを使用した楽曲を書いた者が現れた。

バロック期のスペインでは,ガスパル・サンスルイス・デ・ミラン,フランスではルイ14世のギター教師でもあったロベール・ド・ヴィゼーらが著名である。

18世紀末から19世紀前半には、フェルナンド・ソルマッテオ・カルカッシら優れた作曲家、演奏家が活躍し、コンサート楽器としての地位を確立してゆくが、これらの音楽家が一線から去るとともに一旦衰退する。19世紀後半アルカスやその弟子タレガアントニオ・デ・トーレスの楽器を用いてその地位を復興した。

20世紀にはいると、スペインのギタリスト、アンドレス・セゴビアが、トーレスタイプのモダンギターを使用して精力的に演奏活動、また他楽器向けの作品からの編曲によるレパートリーの開拓を行い、再びギター音楽が注目され始める。彼のために、数多くの優れた作曲家がギター用の楽曲を書いた。その後、ナルシソ・イエペスジュリアン・ブリームジョン・ウィリアムスなどの演奏家が、それぞれ独自のスタイルでクラシック・ギター愛好者の幅を広げた。

日本では、山下和仁がオーケストラ作品などの編曲演奏を通じ、超絶技巧を駆使した演奏を繰り広げて、ギターの楽器としての潜在能力を大きく引き出した。また、福田進一などは19世紀ギターを活用するなど、オリジナル楽器の魅力も追求している。

主な楽曲

クラシックギターのレパートリーには、19世紀ギターのために書かれた作品や、近現代の作家の作品の他に、ルネサンス期のスペインの楽器、ビウエラのためのオリジナル曲、バロック時代のリュート作品や、幅広い時代の様々な楽器のための楽曲からの編曲も多い。20世紀には、ホアキン・ロドリーゴカステルヌオーヴォ=テデスコなどギターを弾かない作曲家が数多くのギター作品を残した。その一方で、レオ・ブローウェルなど高いギター演奏能力を持つ作曲家の活躍も続いている。

特に著名な楽曲

ギターを含む室内楽曲

  • パガニーニ
    パガニーニはギターの演奏もよくし、他にヴァイオリンとギターの二重奏曲が数多くある。
  • フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
    • 四重奏曲 ニ長調(ギター、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • 四重奏曲 ニ長調(ギター、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
  • ボッケリーニ
    • ギター五重奏曲第1番 ニ短調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第2番 ホ長調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第3番 変ロ長調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第4番 ニ長調「ファンダンゴ」(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第5番 ニ長調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第6番 ト長調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第7番 ホ短調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター五重奏曲第9番 ハ長調「マドリードへの帰営」(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
  • ヴィヴァルディ
    • ギター協奏曲第1番 イ長調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)
    • ギター協奏曲第2番 ニ長調(ギター、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)

(ギターで演奏されることが多いが、オリジナルはリュートの為の作品である)

クラシックギターが管弦楽に使われている例

オペラアリアの伴奏にも使われている。


「クラシックギター (器楽)」の例文・使い方・用例・文例

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