キーエンス ジャイロソーサーとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > キーエンス ジャイロソーサーの意味・解説 

キーエンス ジャイロソーサー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/27 22:26 UTC 版)

ジャイロソーサーGYRO SAUCER)は、日本のキーエンスが開発・販売したマルチコプター形式のホビー用無線操縦ヘリコプター

概要

1989年平成元年)7月に[1]、キーエンスホビー事業チーム(現アキュヴァンス)より[2]「ジャイロソーサー E-170」の製品名で発売[1][3][4][5]。市販されたマルチコプターとしては世界初とされ[1][4]、「現在のドローンの原型[2]」「元祖小型ドローン[3]」などとも表現される。なお、発売当時のキーエンスは、ジャイロソーサーを世界初の「室内用電動RC円盤」と形容していた[2][3]

機体径は約22 cm[3]、飛行重量は120 gで[1]、機体中央には[3]姿勢センサーとともに[4]バッテリーであるニッケル・カドミウム電池(ニッカド電池)が収められており[1][6]、これで4枚のプロペラを駆動させる[3][4]。姿勢センサーは真鍮製のフライホイールを用いた[4]機械式ジャイロスコープ[7][8]、回転制御用のレートジャイロと姿勢制御用のフリージャイロの2種類を備え[3]、小型モーターでこれらを回転させ、傾きをホール素子で検知する[4]。離陸時、プロペラはジャイロの回転が安定した後に始動する[3]

姿勢センサーの性能故に、可能な飛行はゆったりとしたホバリングのみだった[7]。また、ニッカド電池がもたらす飛行時間は約1分30秒と短いものだった[8][9]

1990年(平成2年)には、後継機「ジャイロソーサーII E-570」が発売された[5]。飛行時間が延長されるなど性能はE-170よりも向上しているが、2024年令和6年)現在は生産・修理受付ともに終了している[10]

2023年(令和5年)現在は、ドローンミュージアム&パークみのにてE-170の実機が「世界初のドローン」と称して展示されている[11]

諸元(E-570P)

出典:「RC円盤(E-570、E-770)」[10]

  • 機体径:250 mm
  • ローター径:135 mm
  • 機体重量:90 g
  • 飛行時間:3分前後
  • 電波到達距離:10 m
  • 材質:発泡スチロール

脚注

  1. ^ a b c d e 「無人航空機システム(ドローン)の歴史と技術発展」 15頁。
  2. ^ a b c 会社案内 COMPANY”. アキュヴァンス. 2024年4月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 「無人航空機(ドローン・ラジコン機等)について」 79頁。
  4. ^ a b c d e f 「ドローン技術の背景,仕組み,発展」
  5. ^ a b 「やっぱり日本はすごかった。(機体編)」
  6. ^ 『きちんと知りたい! ドローンメカニズムの基礎知識』 6,7頁。
  7. ^ a b 「無人航空機システム(ドローン)の歴史と技術発展」 16頁。
  8. ^ a b 『きちんと知りたい! ドローンメカニズムの基礎知識』 6頁。
  9. ^ 「無人航空機システム(ドローン)の歴史と技術発展」 15,16頁。
  10. ^ a b RC円盤(E-570、E-770)”. アキュヴァンス. 2024年4月19日閲覧。
  11. ^ Akiko.I (2023年6月29日). “ドローンミュージアム&パークみの”. GIFU SAKURA Media Japan. アドキットインフォケーション. 2024年4月20日閲覧。

参考文献

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  キーエンス ジャイロソーサーのページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キーエンス ジャイロソーサー」の関連用語

キーエンス ジャイロソーサーのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キーエンス ジャイロソーサーのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキーエンス ジャイロソーサー (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS