カスコードトランジスタの挿入
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/07 04:44 UTC 版)
「ソース接地回路」の記事における「カスコードトランジスタの挿入」の解説
カスコードトランジスタ(M2)を挿入すると、入力トランジスタ(M1)のドレイン間の増幅率が小さくなるためミラー効果による実質入力容量の増大を抑制することができる。この回路の小信号電圧利得は A v = v o v i = − g m 1 r o 2 ⋅ R D | | ( r o 1 + r o 2 + g m e 2 r o 1 r o 2 ) r o 1 + 1 g m e 2 | | r o 2 {\displaystyle A_{v}={\frac {v_{o}}{v_{i}}}=-{\frac {g_{m1}r_{o2}\cdot R_{D}||(r_{o1}+r_{o2}+g_{me2}r_{o1}r_{o2})}{r_{o1}+{\frac {1}{g_{me2}}}||r_{o2}}}} で、 r o = r o 1 = r o 2 {\displaystyle r_{o}=r_{o1}=r_{o2}} 、 g m = g m 1 = g m e 2 {\displaystyle g_{m}=g_{m1}=g_{me2}} 、 r o ≫ R D {\displaystyle r_{o}\gg R_{D}} 、 g m r o ≫ 1 {\displaystyle g_{m}r_{o}\gg 1} の場合、 A v ≈ − g m R D {\displaystyle A_{v}\approx -g_{m}R_{D}} と単純化され、カスコードトランジスタがない場合と利得は同じになる。また、M1のゲート・ドレイン間の小信号利得は v x v i = − g m 1 ⋅ R D + r o 2 1 + g m e 2 r o 2 | | r o 1 ≈ − 1 {\displaystyle {\frac {v_{x}}{v_{i}}}=-g_{m1}\cdot {\frac {R_{D}+r_{o2}}{1+g_{me2}r_{o2}}}||r_{o1}\approx -1} と低い値になるため、カスコードトランジスタがない場合に比べてミラー効果が大幅に抑制される。 この回路はソース接地回路とゲート接地回路の組み合わせと考えることもできる。 カスコードトランジスタのゲート( V B {\displaystyle V_{B}} )は直流電圧源に接続される。その電圧は、M1が飽和領域で動作するよう十分高く、かつM2も飽和領域で動作するよう十分低くなければならない。
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