カイコとの関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/02 22:42 UTC 版)
クワコとカイコは共にカイコガ属の一種である。カイコの起源にはいくつかの説がある。クワコの祖先種から分化したという説は両種の分化後、等しい速さで分化していったとする分子時計説に基づいているが、人為選択の影響により現代の分子系統学の手法を用いてもカイコの起源を探求するには困難な点まで進化が加速していることに留意しなくてはならない。東ユーラシアに広く生息するクワコの内、分子系統解析からカイコは中国の東部のクワコが起源であると考えられている(ちなみに染色体数から推測される通り、中国のクワコと日本のクワコは中国のクワコとカイコよりも遠縁である)。また、カイコは遅くともおよそ5000年前のクワコから分化していったと考えられている。分化時には、人間の活動なしでは生きられないまでにカイコを人間が家畜化したことにより、同一種であったカイコとクワコの間で生殖的隔離が起こったと考えられる。なお、クワコはカイコとの交雑も可能である。新石器時代以前は、野蚕を収集し、絹糸などに用いていた可能性はあるが、このときはカイコを繁殖する技術はなかったと考えられている。
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