オーストラリア・イノベーション特許2001100012号
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「車輪の再発明」の記事における「オーストラリア・イノベーション特許2001100012号」の解説
オーストラリアでは2001年にジョン・マイケル・キーオによって車輪が再発明され、特許が取得された。ただし、取得した特許は通常の特許ではなく、オーストラリアで2001年に導入されたイノベーション特許である。 これはまじめな発明としてではなく、イノベーション特許制度がほぼ無審査であることへの批判を目的として、故意に申請されたものであった。オーストラリアにももちろん審査を経た上で権利が認められる通常の特許制度があり、この発明も同制度のもとでは到底特許として認められるものではない。しかし、イノベーション特許制度は、実体審査を経ないで特許が与えられるため、この発明に特許が与えられることになったのである。 実際には、イノベーション特許には、侵害訴訟を起こす際に事前に特許庁の審査を受ける必要があるなど、実際に権利行使を行うにあたっての制約がある。この車輪の発明にしても、実際に権利を行使しようとすれば、特許庁での審査で特許性がないと判断されるであろう。また、イノベーション特許には、通常の特許と比較して短い権利期間しか認められていない。 このように通常の特許とイノベーション特許とには大きな相違があるが、一般には両者の相違が知られていなかったため、このイノベーション特許は「車輪の再発明」として話題になった。 なお、キーオとオーストラリア特許庁は、その年のイグノーベル技術賞を受賞した。
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