オリーヴの枝を持つ天使とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > オリーヴの枝を持つ天使の意味・解説 

オリーヴの枝を持つ天使

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/15 23:38 UTC 版)

『オリーヴの枝を持つ天使』
フランス語: Ange tenant un rameau d' olivier
英語: Angel with an olive branch
作者 ハンス・メムリンク
製作年 1475-1480年
種類 板上に油彩
寸法 16 cm × 10 cm (6.3 in × 3.9 in)
所蔵 ルーヴル美術館パリ

オリーヴの枝を持つ天使』(オリーヴのえだをもつてんし、: Ange tenant un rameau d' olivier: Angel with an olive branch)は、初期フランドル派の画家ハンス・メムリンクが1475-1480年に板上に油彩で制作した絵画である。本来、神聖ローマ皇帝カール5世の叔母であったマリア・フォン・エスターライヒが16世紀初頭に所有し、ブルー (Brou) の修道院に献上した三連祭壇画の左翼パネルの断片であることはほぼ間違いない[1][2]。作品は、1993年にパリルーヴル美術館に購入された[1][2]

作品

ハンス・メムリンク『剣を持つ天使 (大天使ミカエル)』 (ウォレス・コレクション、ロンドン)

ハプスブルク家ネーデルラント総督であったマリア・フォン・エスターライヒが所有していた三連祭壇画は、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンとハンス・メムリンクという異なる世代の画家が共同制作した稀に見る作品であった[1][2]

聖母マリアの腕に抱かれる悲しみの人イエス・キリストを描いた中央パネルはファン・デル・ウェイデンの手になるものであったが、消失したため現存しない。中央パネルの両翼として、1475-1480年にメムリンクは、ほぼ完全な形で残っている右翼パネル『剣を持つ天使 (大天使ミカエル)』 (ウォレス・コレクションロンドン) と左翼パネルの断片である本作を制作した[1][2]。本作は本来かなり大きめで、天使の全身像が描かれていた[2]

この絵画の金地の背景は初期フランドル派美術としては珍しいもので、天上の領域を象徴している[2]。天使がユリの花の代わりに持つオリーヴの枝も稀なモティーフで、イタリアルネサンス美術からの借用である[2]

脚注

  1. ^ a b c d (フランス語) Ange tenant un rameau d' olivier”. ルーヴル美術館 (1400年). 2024年6月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g 『ルーヴル美術館 収蔵絵画のすべて』、2011年、229頁。

参考文献

外部リンク




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  
  •  オリーヴの枝を持つ天使のページへのリンク

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「オリーヴの枝を持つ天使」の関連用語

オリーヴの枝を持つ天使のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



オリーヴの枝を持つ天使のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのオリーヴの枝を持つ天使 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS