エドワード・ハンターとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > エドワード・ハンターの意味・解説 

エドワード・ハズレット・ハンター

(エドワード・ハンター から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/05 08:28 UTC 版)

エドワード・ハズレット・ハンター

エドワード・ハズレット・ハンターEdward Hazlett Hunter, 1843年2月3日 - 1917年6月2日)は、イギリス実業家で範多財閥・大阪鐵工所日立造船〈現:カナデビア〉の前身)の創業者。造船業を中心に産業育成を通じて日本の近代化に尽力した。

来歴

  • 1867年 - 横浜に来日。
  • 1873年 - 神戸にハンター商会 (E.H. Hunter & Co.) を設立。
  • 1881年 - 大阪安治川岸に大阪鐵工所 (Osaka Iron Works) を創立。

生涯

来日

エドワード・ハズレット・ハンターは、ジョーン・ハンターの第7子として1843年2月3日、アイルランド島北部アルスターロンドンデリーに生まれる。20歳の頃、アジアを目指して帆船に便乗して、オーストラリア、香港、上海を経て慶応3年(1867年)横浜で貿易事業に携わった。大阪に移住した頃から、外国人居留地に出入りしていた、大阪川口居留地の近くに住む薬種問屋・平野常助の娘・愛子と結婚し、長男は生後間もなく死亡したため、明治4年(1871年)に誕生した男児リチャードを嫡男として、戸籍では母親の姓をとり平野龍太郎(後に範多龍太郎と改名)と名づけた。続いて長女ふじ子が誕生する。明治17年(1884年)2月29日にハンスこと範三郎(範多範三郎と改名)、その下にエドワードこと英徳が生まれたが、いずれも当初は日本国籍である。ハンス範三郎は後に実業家として地歩を固めた。

E・H・ハンター商会の設立

外国人居留地で明治7年(1874年)にE・H・ハンター商会を創設した。明治10年(1877年)の西南戦争で、西郷軍の軍需物資を取り扱い、基礎を固める。明治14年(1881年)、大阪の安治川の畔に、息子平野龍太郎の名義で大阪鉄工所を創設する。船舶の建造・修理のみでなく、陸用機関機器、橋梁の製作も手がけて、明治40年(1907年)前後には三菱造船川崎造船に次ぐ日本三大造船所に成長し、後に同鉄工所は日立造船へと発展を遂げる。大阪鉄工所は、国産第1号のトロール船を明治41年(1908年)に完成させ、後に日本の大半のトロール船を製造するまでになる。このトロール漁法の実用化のために、長崎五島列島沖で奮闘したのが、グラバーの息子・倉場富三郎である。、鉄工と造船業の他にも、煉瓦や肥料、煙草、精米、損害保険など様々な事業を起こし、「範多財閥」を形成した。また造船場で働く工員のために、日本で初めて傷害保険を導入した。

明治15年(1882年)に、範多商会を開業する。この会社の輸出する精米は年間1万tにのぼり、ロンドンの穀物市場の標準米になったともいわれる。

神戸の発展に尽力

E・H・ハンターは数多くの基幹産業を経営すると同時に、神戸市発展のため公共事業にも貢献した。幕末に結ばれた不平等条約の改正も英国本国に働きかけるなど、力を尽くした。日本の近代化に長年尽くした功績により、明治42年(1909年)に勲五等双光旭日章を贈られている。当時の外国人としては破格の栄誉だった。晩年は神戸市北野町3丁目の高台に構えたハンター邸で余生を静かに送り、大正6年(1917年)6月2日に心臓麻痺で他界した。74歳だった。墓所は神戸市立外国人墓地

旧ハンター邸

旧ハンター住宅

ハンターの住居は、「ハンター坂」の地名を残す神戸市中央区北野町にあったが、建物は神戸市灘区王子動物園内に移築した後に「旧ハンター住宅」として国の重要文化財に指定され、郵便記念切手の図案にも用いられた。

肖像写真の発見

2020年、E・H・ハンター商会東京出張所の前で撮影された肖像写真が、日本人写真師研究家の濵畠太により発見された[1]

脚注

  1. ^ 2021年2月1日『毎日新聞』

関連項目

外部リンク


先代
(設立)
大阪鉄工所所主
1881年 - 1895年
次代
範多龍太郎

エドワード・ハンター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 00:42 UTC 版)

クオ・ヴァディス (漫画)」の記事における「エドワード・ハンター」の解説

通称エドロンドン新聞記者で、元医者吸血鬼下僕にされたリズを救う方法探している。

※この「エドワード・ハンター」の解説は、「クオ・ヴァディス (漫画)」の解説の一部です。
「エドワード・ハンター」を含む「クオ・ヴァディス (漫画)」の記事については、「クオ・ヴァディス (漫画)」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「エドワード・ハンター」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「エドワード・ハンター」の関連用語

エドワード・ハンターのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



エドワード・ハンターのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのエドワード・ハズレット・ハンター (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのクオ・ヴァディス (漫画) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS