インヴィテーション_(アル・ヘイグのアルバム)とは? わかりやすく解説

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インヴィテーション (アル・ヘイグのアルバム)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 12:01 UTC 版)

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インヴィテーション
アル・ヘイグスタジオ・アルバム
リリース
録音 1974年1月7日
オリンピック・スタジオ
ジャンル ジャズ
時間
レーベル スポットライト・レコード
プロデュース トニー・ウィリアムス
専門評論家によるレビュー
アル・ヘイグ アルバム 年表
アル・ヘイグ・トゥデイ!
(1965年)
インヴィテーション
(1974年)
スペシャル・ブルー
(1976年)
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インヴィテーション』(Invitation)は、ジャズピアニストアル・ヘイグ1974年に発表したアルバム。1970年代における代表作のひとつである。

解説

『インヴィテーション』は、アル・ヘイグがジャズ・シーンの第一線に復帰するきっかけとなったアルバムである。ヘイグは1940年代半ばからビバップ全盛期を代表するピアニストとして活動していたが、ビバップ・ムーブメントが終息したのちは自身のコマーシャリズムに迎合しない活動方針を貫き、1950年代半ば以降は録音の機会も減り不遇の時代を送っていた。そのような中でも、ヘイグはレストランやバーなどで細々と演奏を続けており、1970年代にはヨーロッパに活動の拠点を移し、1973年の暮れにイギリスに移住しロンドンのスポットライト・レコードと契約。レーベルのオーナーであり、ジャズ・ピアニスト、ジョー・オーバニー英語版の再起のきっかけをつくった人物でもあるトニー・ウィリアムスのプロデュースにより新しいアルバムを制作することとなった。

演奏メンバーにはデンマークのベーシスト、ニールス・ペデルセンと、当時欧州を中心に活動していたアメリカ人のドラマー、エド・シグペンが予定されていたが、録音日はピアノのコンディションが悪く、制作は一時延期された[1]。年が明けた1974年、あらたにフランス人のベーシスト、ジルベール・ロヴェルフランス語版と、同じくアメリカ人のドラマー、ケニー・クラークが起用され、録音が再開された。

ロヴェルはブルーノート・レコードに所属し、1960年代にはパリに移住したデクスター・ゴードンケニー・ドリューなどと共演。デューク・エリントン楽団の在団経験もあり、1963年にはエリントンのプロデュースによるバド・パウエルのアルバム『バド・パウエル・イン・パリ』(リプリーズ) の録音に参加した[1]。一方クラークは、ビバップ草創期にモダン・ドラム奏法を確立したパイオニアの一人であり、1960年代には活動の拠点をヨーロッパに移し、同じく欧州移住組のアメリカ人ミュージシャンの録音に多数参加した。1963年には同じくエリントンのプロデュースでスウェーデンの歌手、アリス・バブスのアルバム『セレナーデ・トゥ・スウェーデン』(リプリーズ) にロヴェルとともに参加している。

録音はオリンピック・スタジオで行われ、スタンダード曲と、ヘイグおよびシダー・ウォルトンのオリジナル曲で構成されている。とくにアルバム1曲目の「ホリーランド」[2]やタイトル曲の「インヴィテーション」は人気を博し、ヘイグの詩的で印象主義的なピアノ・プレイの魅力を再び世間に認知させた[3]。ヘイグはこのアルバムの成功をきっかけに精力的な活動を再開し、本格的なカムバックを果たした。

なお、『インヴィテーション』はたびたびCD化されているが、1990年の初CD化の際には、同一セッションの未発表音源が5曲追加収録された。

収録曲

1974年版LP

Side one
# タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
1. 「Holyland」    
2. 「Invitation」    
3. 「Enigma」    
4. 「Sawbo City Blues」    
Side two
# タイトル 作詞 作曲・編曲 時間
1. 「If You Could See Me Now」    
2. 「Sambalhasa」    
3. 「Daydream」    
4. 「Linear Motion」    

1990年版CD

# タイトル 作詞 作曲 時間
1. 「Holyland」   Walton
2. 「No Stranger Love (previously unreleased)」   Haig
3. Sweet and Lovely (previously unreleased)」 Daniels,Tobias Arnheim
4. Invitation Webster Kaper
5. 「Enigma」   Johnson
6. 「Sawbo City Blues」   Haig
7. Wave (previously unreleased)」 Jobin Jobin
8. You Are My Everything (previously unreleased)」 Dixon, Young Warren
9. If You Could See Me Now Sogman Dameron
10. 「Sambalhasa」   Haig
11. Have You Met Miss Jones (previously unreleased)」 Hart Rogers
12. 「Daydream」   Strayhorn
13. 「Linear Motion」   Haig
合計時間:

演奏メンバー

クレジット

  • Recorded at Olympic Sound Studios, Barnes, England
  • Recording Engineer, Keith Grant
  • Cutting Engineer, Richard Langham
  • Mixing Engineer, Pete Mew
  • Jacker Design, Malcom Walker

発売履歴

  • 1974年:レコード - AH4(Spotlite Records
  • 1975年:レコード - ITJ-80041(東芝EMI[4]
  • 1990年:CD - TOCJ-5525(同上)[5]
  • 1998年:CD - TOCJ-6213(同上)
  • 2007年:CD - TOCJ-6899(同上)
  • 2011年:CD - TOCJ-50250(同上)

脚注

  1. ^ a b 佐藤秀樹『インヴィテイション』1998年版CDライナーノーツより
  2. ^ シダー・ウォルトン自身の演奏は、1978年発売のライヴ・アルバム『ファースト・セット』(SteepleChase) で聴くことができる。
  3. ^ 今井正弘『デューク & バード』CDライナーノーツより
  4. ^ 同じレコード番号で別ジャケットの版も存在する。
  5. ^ somethin'elseレーベル発売作品。番号は「somethin'else classics 5525」。なお、ジャケット・デザインはオリジナルとは異なっている。



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