イヌシバとは? わかりやすく解説

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犬芝

読み方:イヌシバ(inushiba)

イネ科多年草

学名 Stenotaphrum secundatum


イヌシバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/19 13:15 UTC 版)

イヌシバ
イヌシバの穂状花序
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
階級なし : ツユクサ類 commelinids
: イネ目 Poales
: イネ科 Poaceae
亜科 : キビ亜科 Panicoideae
: イヌシバ属 Stenotaphrum
: イヌシバ
S. secundatum
学名
Stenotaphrum secundatum
(Walter) Kuntze
和名
イヌシバ、セントオーガスティングラス
英名
St. Augustine grass, buffalo turf, buffalo grass
匍匐茎
地表面をよく被覆(2025年6月 沖縄県石垣市 フルスト原遺跡駐車場)

イヌシバ(別名 セントオーガスティングラス、学名:Stenotaphrum secundatum)はイネ科イヌシバ属の多年生草本。

特徴

匍匐枝を伸ばし地表に広がり、直立枝は高さ10–30 cm。全体に肉質で光沢があり無毛。葉身は長さ4–10 cm、幅4–10 mm、鈍頭。葉鞘は扁平で口部に短い毛がある。穂状花序は長さ5–10 cm、幅3–5 mm、軸は扁平で肉質、片側の節に無柄小穂が1個つくか、無柄小穂と有柄小穂が対になってつき、熟すと節が折れて脱落する。小穂は長さ4–5 mm、幅1.5–2 mm、第1小花は雄性または護頴のみで、第2小花が両性で結実する。開花期は4–12月[1][2]

分布と生育環境

熱帯アメリカ原産で、世界の熱帯に広く帰化。日本では本州(千葉)、四国(高知)、九州、沖縄に帰化。芝生に利用され逸出がみられる[1][2]

利用

暖地向けの被覆植物で、地表面を完全に覆うことから雑草の侵入が少ない。踏圧にも強く、運動広場や公園の芝生として利用される。コウライシバに比べ耐陰性が強く、樹木下でも植栽可能。葉に白い縦縞が幅広く入る斑入り品種もある[3][4][5]。挿木で繁殖可能。成長は早く、年4–8回の刈り込みが必要。刈り込みせずに放置すると葉長30 cmを超える。出穂期にスス病が発生しやすいので、早期に刈り込む[3][5]

脚注

  1. ^ a b (植村ほか 2015, p. 354)
  2. ^ a b (林 & 名嘉 2023, p. 166)
  3. ^ a b (池原 1979, pp. 162–163)
  4. ^ (土橋 & 椎野 2017, p. 119)
  5. ^ a b (海洋博記念公園管理財団 1997, p. 302)

参考文献

  • 池原直樹「イヌシバ、フイリイヌシバ」『沖縄植物野外活用図鑑』 2巻《栽培植物》、新星図書出版、1979年。 
  • 海洋博記念公園管理財団「イヌシバ」『沖縄の都市緑化植物図鑑』新星出版、那覇市、1997年。ISBN 9784902193732 
  • 植村修二ほか編著「イヌシバ」『増補改訂 日本帰化植物写真図鑑 第2巻 -Plant invader 500種-』全国農村教育協会、2015年、354頁。 ISBN 9784881371855 
  • 土橋豊; 椎野昌宏「ステノタフルム」『カラーリーフプランツ』誠文堂新光社、東京、2017年。 ISBN 9784416615775 
  • 林将之; 名嘉初美「イヌシバ」『沖縄の身近な植物図鑑』(第2版)ボーダーインク、2023年。 ISBN 9784899824350 

外部リンク



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