イオン性構造の取り入れ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/27 03:04 UTC 版)
「原子価結合法」の記事における「イオン性構造の取り入れ」の解説
「コールソン=フィッシャー理論」も参照 上述したように原子価結合法による系の波動関数は100%共有結合的、分子軌道法による系の波動関数は50%が共有結合的、50%がイオン的である。しかし実際はその中間だと考えられる。そこで、共有結合性の構造( | a b ¯ | − | a ¯ b | {\displaystyle |a{\overline {b}}|-|{\overline {a}}b|} )とイオン性の構造( | a a ¯ | , | b b ¯ | {\displaystyle |a{\overline {a}}|,|b{\overline {b}}|} )を混合することで精度を改善できる。 Ψ V B − f u l l = { | a b ¯ | − | a ¯ b | } + λ { | a a ¯ | + | b b ¯ | } {\displaystyle \Psi _{VB-full}=\{|a{\overline {b}}|-|{\overline {a}}b|\}+\lambda \{|a{\overline {a}}|+|b{\overline {b}}|\}} 典型的には共有結合性の構造が75%、イオン性の構造が25%である。 一方で、MO法の基底状態についての波動関数は、最適な量の反結合性配置 (σ*1s)2を混合することによって改善することができる(配置間相互作用法〔CI〕を参照)。 Ψ M O − C I = Ψ σ + μ Ψ σ ∗ {\displaystyle \Psi _{MO-CI}=\Psi _{\sigma }+\mu \Psi _{\sigma \ast }} このCI計算では、水素分子の基底状態の98.8%を Ψ σ {\displaystyle \Psi _{\sigma }} が、1.2%を Ψ σ ∗ {\displaystyle \Psi _{\sigma \ast }} が占める。
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