イエスタデイ (カジュアルレストラン)とは? わかりやすく解説

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イエスタデイ (カジュアルレストラン)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/24 05:03 UTC 版)

イエスタデイは、すかいらーくグループがかつて運営していたカジュアルレストランチェーン。

概要

イエスタデイはすかいらーくが1982年に東京都に1号店を開店し、展開を始めたレストランチェーン[1]。従来のすかいらーくとは異なり、高級な料理を扱っていた[2]。最大で30店舗まで増加したものの徐々に客数が減少し、1998年に最後の店舗であったイエスタデイ鶴見中央店の閉店をもって、全店舗の営業が終了した[3]。閉店の理由として、2013年の日本経済新聞ですかいらーく社長の谷氏は「事業の拡大に従業員の成長が追いつかず、料理や接客などのサービスの質が低下したのが原因」と語っている[3]

店名は、ビートルズの楽曲「イエスタデイ」に由来しており、メインターゲットであるビートルズを聞いて育った団塊世代を呼び込むためにつけられた[4]

沿革

  • 1982年(昭和57年)
    • 3月20日 - 東京都武蔵野市井の頭通り沿いのすかいらーくの店舗を業態転換させ[5]、イエスタデイ1号店を開店した。既存店のすかいらーくとは異なり、高級化志向で大人の雰囲気を重視した内装でアルコール飲料などを充実させ差別化を図っている[1][2]
    • 9月15日 - 兵庫県神戸市にイエスタデイ2号店を開店した[6][7]
  • 1983年3月(昭和58年) - 東京都世田谷区桜3丁目にイエスタデイ3号店となる世田谷オオクラランド店を開店した[8]。同店は、これまでの最大規模で1階席を1人用席、2階席を2人以上用席として分けて設けており、少人数の客を重視した店舗設計がなされていた[6]
  • 1985年(昭和60年)
    • 7月 - この時点ですかいらーくはイエスタデイを21店舗運営していた[9]
    • 10月25日 - すかいらーく初の3業態複合施設となるファーストスクエアを群馬県前橋市国領町の国道17号線沿いに開店する。同店舗は1つの建物にカジュアルレストランの「イエスタデイ」、ファミリーレストランの「すかいらーく」、和食の「藍屋」の3業態を区切って出店させる。なお、同店舗開店前にすかいらーくとイエスタデイの2業態複合店舗を愛知県名古屋市と東京都板橋区に開店させている[9][10]
    • 11月3日 - 3業態複合施設のファーストスクエアを埼玉県川越市に開店した[11]。同店舗はファミリーレストランの「すかいらーく」、カジュアルレストランの「イエスタデイ」、ファーストフードの「カントリーファーム」の3業態で構成されている[10]
  • 1987年(昭和62年)
    • 5月 - 3業態複合施設のファーストスクエアを山梨県石和町四日市場に開店した。イエスタデイ、ジョナサン、藍屋の3業態で構成されている。ファーストスクエアの山梨県出店は同店舗が初[12]
    • 月日不明 - レジのPOS化、ハンディターミナルによるオーダーシステムの導入などから構成される店舗総合管理システムを導入する[13]
  • 1992年4月(平成4年) - ISDNを導入した[14]
  • 1994年(平成6年)
    • 月日不明- この時点ですかいらーくはイエスタデイを20店舗運営していた[15]
    • 月日不明 - すかいらーくが低価格戦略にシフトする影響で既存店20店舗のうち、7店舗を同社経営のガストへ、11店舗を新業態のイタリア料理店(店名の変更はしない)へ、2店舗を閉店する。イエスタデイ多摩センター駅前店を新業態のイタリア料理店の実験店として運営している[16]
  • 1995年(平成7年) - イエスタデイ4店舗をカジュアルダイニング「すかいらーくガーデンズ」に業態転換し、残るイエスタデイは5店舗となる[17]
  • 1997年(平成9年) - 神奈川県横浜市のイエスタデイ鶴見中央店をコース料理店へ転換したが、1年でビュッフェスタイルのレストランへと変更した。後者の業態では、オープンキッチンを採用し、料理人の研修の場として使用するなど実験店として運営することになった[18]。同店は、イエスタデイの最後の店舗となった[19]
  • 1998年(平成10年) - 最後の1店舗であったイエスタデイ鶴見中央店が閉店した[3]
  • 2000年7月28日(平成12年) - 東京都港区台場のデックス東京ビーチ[20]にバーカウンターを併設した米国調のダイニングレストランとしてカジュアルレストランの「イエスタデイ・ワンスモア」を出店した[21]

店舗

過去の店舗

イエスタデイ

  • 武蔵野店(東京都武蔵野市、1号店) - 1982年3月20日開店[1]
  • 神戸店(兵庫県神戸市、2号店) - 1982年開店[6]
  • 世田谷オオクラランド店(東京都世田谷区、3号店) - 1983年3月21日開店[8]
  • 小平店 - 1983年5月5日開店[22]
  • 相模原店(神奈川県相模原市) - 1983年5月5日開店[22]
  • 甲府店 - 1983年6月20日開店[23]
  • 諏訪インター店 - 1983年6月20日開店[23]
  • 小石川店 - 1983年9月29日開店[24]
  • 宝塚店 - 1983年10月3日開店[25]
  • 瀬田店(東京都世田谷区) - 1983年10月3日開店[25] - 1991年2月閉店[26]
  • 谷原店 - 1983年12月5日開店[27]
  • 東寺山店 - 1983年12月15日開店[28]
  • 南蒲田店 - 1983年12月15日開店[28]
  • 富士吉田店 - 1984年4月9日開店[29]
  • 川崎大島店 - 1984年10月1日開店[30]
  • 鶴見中央店 - 1984年11月29日開店[31]
  • 板橋相生店 - 1984年12月20日開店[32]
  • 夙川店 - 1984年12月20日開店[32]
  • 宮前平店 - 1984年12月20日開店[33]
  • 茅ケ崎店 - 1984年12月27日開店[34]

特徴

イエスタデイ

 これまでのすかいらーく店舗のようにセントラルキッチン方式を使用せず、店舗内でほとんどのメニューを調理する本格的なレストランで、専門のコックを採用していた[35]

イエスタデイ・ワンスモア

 コンセプトは、「古くて新しい、そしてどこか懐かしい、大人のためのオーセンティックな飲食遊空間」とし、大人向けのカジュアルなサービスを提供していた[20]

 店内には、ライブステージやバーカウンター、ピンポールマシンなどを設置し、1950年代から60年代のガレージ風の内装とした。また店内には、VIPルームと呼ばれる少人数個室も設置されていた。メニューには、ステーキやロブスターのようなダイナミックな料理のほかに豊富なアルコール類を取り揃えていた。週末には店内でプロによる演奏やDJによるステージが開催されるときがあった[20]

脚注

注釈

出典

  1. ^ a b c 「“変身”ファミリーレストラン、安いだけじゃ食っていけぬ?(けいざいレポート)」『日本経済新聞』、1982年3月23日、夕刊 3ページ。
  2. ^ a b 「すかいらーく――郊外型レストランの最大手(新規上場株の横顔)」『日本経済新聞』、1982年8月12日、朝刊 11ページ。
  3. ^ a b c 「すかいらーく社長谷真氏(上)客離れの怖さ思い知る(私の課長時代)」『日本経済新聞』、2013年11月12日、朝刊 31ページ。
  4. ^ 農業協同組合』(34(4)(398))全国農業協同組合中央会、1988年4月、111頁https://dl.ndl.go.jp/pid/1789465/1/612023年12月23日閲覧 
  5. ^ 「すかいらーく(上)限界知り分社化路線、社員の士気高揚にも(業態開発に挑む)」『日経流通新聞』、1987年6月2日、18ページ。
  6. ^ a b c 「くつろぎ重視の新レストラン――「すかいらーく」、新チェーンを本格展開へ。」『日本経済新聞』、1982年11月25日、夕刊 3ページ。
  7. ^ RIRI流通産業』流通産業研究所、1983年2月、37頁https://dl.ndl.go.jp/pid/2235924/1/202023年12月23日閲覧 
  8. ^ a b 「開店情報――すかいらーくのイエスタディ世田谷通オオクラランド店。」『日経流通新聞』、1983年3月21日、9ページ。
  9. ^ a b 「すかいらーく、前橋に複合外食店、初の和洋食3店同居――店舗経営効率化など狙う。」『日本経済新聞』、1985年7月5日、地方経済面 北関東 4ページ。
  10. ^ a b 「集客力向上へ複合店舗、外食郊外型店、土地を有効利用――競合店とも仲良く。」『日本経済新聞』、1985年11月4日、朝刊 9ページ。
  11. ^ 「同一敷地内に複合飲食ゾーン「ファーストスクエア」、すかいらーく。」『日経流通新聞』、1986年8月28日、22ページ。
  12. ^ 「すかいらーく、大型複合店舗を出店――5月、甲府バイパスに。」『日本経済新聞』、1987年3月13日、地方経済面 山梨 25ページ。
  13. ^ 「他業態に導入拡大、すかいらーく店舗管理システム――まず「イエスタディ」全店。」『日経流通新聞』、1987年4月16日、9ページ。
  14. ^ 「第2部ストアオートメーション特集――外食産業も“食欲”おう盛、ISDN広がる。」『日経流通新聞』、1993年3月18日、13ページ。
  15. ^ 「すかいらーく、組織改編、「ガスト」シフト鮮明に――事業部拡充、きめ細かく管理。」『日経流通新聞』、1994年1月18日、11ページ。
  16. ^ 「すかいらーく、レストラン「イエスタディ」、伊料理店に一部転換。」『日経流通新聞』、1994年2月24日、15ページ。
  17. ^ 缶詰技術研究会 著、大和製罐株式会社 編『食品と容器 = Food & packaging』(37(7)(432))缶詰技術研究会、1996年7月、413頁https://dl.ndl.go.jp/pid/3319196/1/272023年12月23日閲覧 
  18. ^ 「すかいらーく、横浜の伊料理レストラン、実験店に変更――店内調理比率高める。」『日経流通新聞』、1997年1月21日、17ページ。
  19. ^ 「すかいらーく、ファミレス王者復活へ原点回帰――さようならイエスタデイ(企業研究)」『日経流通新聞』、1998年5月19日、1ページ。
  20. ^ a b c エルネオス = El neos : ビジネス情報誌』エルネオス出版社、2000年9月、71頁https://dl.ndl.go.jp/pid/2889497/1/362023年12月23日閲覧 
  21. ^ 「すかいらーく、「イエスタディ」よ、もう一度。」『日経流通新聞』、2000年7月25日、3ページ。
  22. ^ a b 「開店情報――すかいらーくのイエスタデイ小平店、相模原店。」『日経流通新聞』、1983年5月5日、8ページ。
  23. ^ a b 「開店情報--すかいらーくのイエスタデイ甲府店、諏訪インター店。」『日経流通新聞』、1983年6月20日、9ページ。
  24. ^ 「開店情報――すかいらーくイエスタデイ小石川店。」『日経流通新聞』、1983年9月29日、13ページ。
  25. ^ a b 「開店情報――すかいらーくのイエスタデイ宝塚店、瀬田店。」『日経流通新聞』、1983年10月3日、13ページ。
  26. ^ 「マリンラーク、世田谷(東京)に活魚料理店――氷眠技術で鮮度維持。」『日経流通新聞』、1991年8月29日、9ページ。
  27. ^ 「開店情報――すかいらーくのイエスタデイ谷原店。」『日経流通新聞』、1983年12月5日、10ページ。
  28. ^ a b 「開店情報――すかいらーくのイエスタデイ東寺山店、南蒲田店。」『日経流通新聞』、1983年12月15日、9ページ。
  29. ^ 「開店情報――すかいらーくの上永谷店、イエスタデイ富士吉田店。」『日経流通新聞』、1984年4月9日、9ページ。
  30. ^ 「開店情報――すかいらーくのイエスタデイ川崎大島店、すかいらーく橿原神宮前店。」『日経流通新聞』、1984年10月1日、11ページ。
  31. ^ 「開店情報――すかいらーく筑波学園店、イエスタディ鶴見中央店。」『日経流通新聞』、1984年11月29日、9ページ。
  32. ^ a b 「開店情報――すかいらーくのイエスタディ板橋相生店、夙川店。」『日経流通新聞』、1984年12月17日、9ページ。
  33. ^ 「開店情報――すかいらーくのイエスタディ宮前平店、すかいらーく伊東店。」『日経流通新聞』、1984年12月20日、9ページ。
  34. ^ 「開店情報――すかいらーくのイエスタディ茅ケ崎店。」『日経流通新聞』、1984年12月27日、7ページ。
  35. ^ 総合食品』(7(5)(77))総合食品研究所、1983年10月、145頁https://dl.ndl.go.jp/pid/3326301/1/762023年12月23日閲覧 

関連項目

外部リンク




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