アンダーカレント (漫画)
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アンダーカレント undercurrent |
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ジャンル | 青年漫画 |
漫画 | |
作者 | 豊田徹也 |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊アフタヌーン |
レーベル | アフタヌーンKCDX |
発表号 | 2004年10月号 - 2005年10月号 |
発表期間 | 2004年8月 - 2005年8月 |
巻数 | 全1巻 |
映画 | |
原作 | 豊田徹也 |
監督 | 今泉力哉 |
脚本 | 澤井香織、今泉力哉 |
音楽 | 細野晴臣 |
制作 | ジョーカーフィルムズ |
製作 | 「アンダーカレント」製作委員会 |
配給 | KADOKAWA |
封切日 | 2023年10月6日 |
上映時間 | 143分 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画・映画 |
ポータル | 漫画・映画 |
『アンダーカレント』は、豊田徹也による日本の漫画。『月刊アフタヌーン』(講談社)にて2004年10月号より2005年10月号(2004年2月号、2005年7月号を除く)に連載された。
2009年にフランスのアングレーム国際漫画祭でオフィシャルセレクションに選出され[1]、さらに2009年のパリ郊外で開催されたJapan ExpoにおいてACBDアジア賞を受賞した[2]。
2023年10月に映画版が公開された[3]。
あらすじ
地方都市の銭湯「月乃湯」の娘・関口かなえ は一年前に父親を亡くし、夫の悟と共に経営を引き継いだ。しかし、悟が急に失踪し、休業する かなえ。しばらくして再開した「月乃湯」に、堀隆之という男が就職した。
大学で友人だった よう子 と再会し、探偵の山崎を紹介される かなえ。山崎は胡散臭そうな男だったが、悟の調査は真面目に実行した。居所は掴めないものの、悟の身元について報告する山崎。その内容は、かなえ が悟から聞いていた経歴とまるで違っていた。
薪で湯を沸かす「月乃湯」に重油のバーナーを導入したい かなえ。中古品を引き取る話がまとまり、堀の運転で廃業する銭湯に向かったが、その銭湯は二日前に火事で焼け、火をつけたらしい店主は失踪していた。帰り道で心が乱れ、堀によく見る夢の話をする かなえ。子供の自分が何者かに首を締められ、水中に沈められるが、自分はそれを望んでいると言う かなえ。
探偵の山崎は、悟が以前に勤めていた会社で、横領を疑われた女子社員を庇って罪を被り、会社を辞めたらしいと報告した。女子社員の元に悟の姿はないと聞き、調査を終了させる かなえ。
銭湯の常連である小学生の みゆ が何者かに連れ去られた。不安に襲われた かなえ は、小学校時代に容姿のよく似た さなえ という親友がいた事を思い出した。みゆ は連れ回しに遭っただけで無事に発見されたが、体調を崩す かなえ。
小学生の頃、かなえ と さなえ は変質者に襲われた。逃げる かなえ に「誰にも言うな!」と釘を差す変質者。さなえ は絞殺され池に沈んで発見されたが、かなえ は変質者のことを誰にも話せず、さなえ の記憶も失って、首を締められる夢だけを見続けていたのだ。混乱して寝込み、「私を殺して」と堀に訴える かなえ。
探偵の山崎が、悟を見つけたと連絡して来た。山崎は調査が終了した後も悟の行方を追っていたのだ。悟と面会する かなえ。悟は、子供の頃から虚言癖があったと告白した。
必要がなくても嘘をつき、辻褄が合わなくなると失踪するのが悟の生き方だった。前の会社で横領を犯したのは自分だが、女子社員の罪を被ったように見せかけて退職し、かなえ の前に現れて結婚したと打ち明ける悟。「本当のことが話せなかった」という悟に、自分も分からなかったと応え、離婚を決める かなえ。
荷物を纏めて「月乃湯」を去ろうとする堀。親しくしていた煙草屋の老主人が、さなえ の事件を堀に語った。老主人は、堀が さなえ の兄だと見抜いていたのだ。事件の後、さなえ の家族は町を離れたが、偶然に大人になった かなえ を見かけた堀は、かなえ の姿が死んだ妹に見え、素性を隠して「月乃湯」に就職したのだ。
町を去る決心が鈍り、「月乃湯」に戻る堀。かなえ から夕飯に招かれた堀は食べながら号泣し、さなえ の兄だと打ち明けた。
書籍情報
豊田徹也『アンダーカレント』[講 1]
- 講談社『月刊アフタヌーン』(2004年10月号 - 2005年1月号・3月号 - 6月号・8月号 - 10月号)
- 講談社〈アフタヌーンKCDX〉、全1巻
- 2005年11月22日発売、ISBN 978-4-06-372092-1
映画
アンダーカレント | |
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監督 | 今泉力哉 |
脚本 | 澤井香織 今泉力哉 |
原作 | 豊田徹也 |
製作 | 平石明弘 |
製作総指揮 | 小池賢太郎 飯田雅裕 |
出演者 | 真木よう子 井浦新 江口のりこ 中村久美 康すおん 内田理央 永山瑛太 リリー・フランキー |
音楽 | 細野晴臣 |
撮影 | 岩永洋 |
編集 | 岡崎正弥 |
制作会社 | ジョーカーフィルムズ |
製作会社 | 「アンダーカレント」製作委員会 |
配給 | KADOKAWA |
公開 | ![]() |
上映時間 | 143分 |
製作国 | ![]() |
言語 | 日本語 |
2023年10月6日に公開された。監督は今泉力哉、音楽は細野晴臣、主演は真木よう子[3]。
また、原作漫画の探偵・山崎のモデルが、同役を演じるリリー・フランキーであると発表された[4]。
キャスト
- 関口かなえ
- 演:真木よう子[3][5]
- 銭湯・月乃湯の主人。共同経営者の夫の悟が、ある日突然失踪してしまう。
- 堀隆之
- 演:井浦新[3][5]
- 銭湯組合から紹介され、そのまま働くことになった謎の男。
- 菅野よう子
- 演:江口のりこ[3][5]
- かなえと悟の同級生。育休中にかなえと再会した。
- 木島敏江
- 演:中村久美[3][5]
- 月乃湯を手伝うパートのおばちゃん。
- 田島三郎
- 演:康すおん[3][5]
- 月乃湯の常連。
- 藤川美奈
- 演:内田理央[3][5]
- 月乃湯の近所に住むシングルマザー。
- 関口悟
- 演:永山瑛太[3][5]
- 突然失踪したかなえの夫。
- 山崎道夫
- 演:リリー・フランキー[3][5]
- よう子から紹介された、夫の悟の行方を捜す探偵。
スタッフ
- 原作:豊田徹也『アンダーカレント』(講談社「アフタヌーンKC」刊)
- 監督:今泉力哉[3][5]
- 音楽:細野晴臣[3][5]
- 脚本:澤井香織、今泉力哉[5]
- エグゼクティブプロデューサー:小池賢太郎、飯田雅裕[5]
- プロデューサー:平石明弘[5]
- アソシエイトプロデューサー:神保友香[5]
- 撮影・照明:岩永洋[5]
- 録音:根本飛鳥[5]
- 美術:禪洲幸久[5]
- 装飾:うてなまさたか[5]
- 編集:岡崎正弥[5]
- 音響効果:勝亦さくら[5]
- 衣装:馬場恭子、藤原千弥[5]
- ヘアメイク:寺沢ルミ[5]
- 特写:木村和平[5]
- リレコーディングミキサー:浜田洋輔[5]
- 助監督:平波亘[5]
- 制作担当:三村薫[5]
- ラインプロデューサー:三好保洋[5]
- 宣伝プロデューサー:谷川和子、徳安慶憲[5]
- 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援)独立行政法人日本芸術文化振興会
- 配給:KADOKAWA[5]
- 企画・製作プロダクション:ジョーカーフイルムズ[5]
- 製作幹事:ジョーカーフイルムズ、朝日新聞社
- 製作:「アンダーカレント」製作委員会(ジョーカーフイルムズ、Joker-PODパートナーズ、朝日新聞社、U-NEXT、KADOKAWA、ねこじゃらし、レプロエンタテインメント、ハピネット・メディアマーケティング)
脚注
出典
- ^ “Manga Nominated for France's Angoulême Comics Awards”. Anime News Network (2008年11月22日). 2024年8月21日閲覧。
- ^ “'Prix Asie-ACBD 2009 : Undercurrent, de Tetsuya Toyoda” (フランス語). ActuaLitté (2009年7月2日). 2024年8月20日閲覧。.
- ^ a b c d e f g h i j k l “真木よう子「アンダーカレント」に井浦新、リリー・フランキー、永山瑛太、江口のりこが出演 公開日は10月6日”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2023年4月10日). 2024年8月20日閲覧。
- ^ “リリー・フランキー、『アンダーカレント』で自身をモデルにした役演じる 原作との“クリソツ”カット公開”. クランクイン!. ブロードメディア (2023年9月27日). 2024年8月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad “アンダーカレント:映画作品情報・あらすじ・評価”. MOVIE WALKER PRESS. ムービーウォーカー. 2024年10月24日閲覧。
講談社コミックプラス
以下の出典は講談社コミックプラス(講談社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
- ^ “『アンダーカレント』”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2024年8月20日閲覧。
外部リンク
- 漫画
-
- アンダーカレント - アフタヌーン公式サイト
- 映画
-
- 映画『アンダーカレント』公式サイト
- 映画『アンダーカレント』公式 (@undercurrent_m) - X(旧Twitter)
- 映画『アンダーカレント』公式 (@undercurrent_m) - Instagram
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- Undercurrent - IMDb
- 映画『アンダーカレント』公式サイト
- アンダーカレント_(漫画)のページへのリンク