アリアケシラウオとは? わかりやすく解説

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有明白魚

読み方:アリアケシラウオ(ariakeshirauo)

シラウオ科遡河性

学名 Salanx ariakensis


アリアケシラウオ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/25 06:15 UTC 版)

アリアケシラウオ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: キュウリウオ目 Osmeriformes
: シラウオ科 Salangidae
: アリアケシラウオ属 Salanx
: アリアケシラウオ S. ariakensis
学名
Salanx ariakensis Kishinouye1902
英名
Ariake icefish

アリアケシラウオSalanx ariakensis、有明白魚)は、シラウオ科アリアケシラウオ属に属するの一種。アリアケシラウオ属は東アジア周辺に分布し、日本からは本種のみが知られている。

分布

東アジアの中国朝鮮半島沿岸部。日本では有明海とその流入河川にのみ生息する[1][2]

形態

生時には体が無色透明で、腹には1列の黒色素胞が並ぶ[2]。日本産シラウオ類では最大の種で、体長はオスが12cm、メスが14cmになる。オスはメスより小型だが、体高はオスの方が高い。頭部は縦扁し、吻は長く、頭長の1/3以上になるが、下あごは突出しない[3]。あぶらびれがあり、背びれと尻びれは、ほぼ相対する。胸びれの先端は、オスは尖るが、メスは円い。オスには、尻びれの基部に1列に並ぶ20個ほどの鱗がある[1]

生態

遠浅で、濁った内湾に生息[2]。年魚であり、10-11月の産卵期には筑後川などの流入河川を遡上し、砂底や礫底に約0.75 mmの球形の卵を産む[3]。川を10 km以上遡上する回遊魚である[4]

人間の利用

食用とされ、生きたままのものを二杯酢で食べるほか、卵とじや天ぷらなどにされる[1]。かつては有明海で本種を対象とした漁業が行われていたが、個体数の激減により、現在は行われていない[4]

保全状況評価

  • 絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト
  • 福岡県-絶滅危惧ⅠA類(CR) 長崎県-絶滅危惧ⅠB類(EN) 熊本県-絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)[5]

脚注

  1. ^ a b c 原色日本淡水魚類図鑑(1976)
  2. ^ a b c 『増補改訂 日本の淡水魚』250頁
  3. ^ a b 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』129頁
  4. ^ a b 『山渓カラー名鑑 日本の淡水魚』85頁
  5. ^ 日本のレッドデータ検索システム(アリアケシラウオ)”. エンビジョン環境保全事務所. 2012年10月16日閲覧。

参考文献

  • 宮地傳三郎、川那部浩哉・水野信彦『原色日本淡水魚類図鑑』(全改訂新版)保育社、1976年、115頁。ISBN 978-4-586-30032-7 
  • 田北徹(アリアケシラウオ部分)『山渓カラー名鑑 日本の淡水魚』山と渓谷社、1989年。 ISBN 4-635-09021-3 
  • 猿渡敏郎(アリアケシラウオ部分)『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館、2018年。 ISBN 978-4-09-208311-0 
  • 細谷和海『山渓ハンディ図鑑15 増補改訂 日本の淡水魚』山と渓谷社、2019年。 ISBN 978-4-635-07043-0 

関連項目



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