アストンマーティン・ヴァンテージ_GT2とは? わかりやすく解説

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アストンマーティン・ヴァンテージ GT2

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/15 08:52 UTC 版)

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アストンマーティン・ヴァンテージ GT2

アストンマーティン・レーシング GTEカー 2013 ルマン24時間レース
カテゴリー GT2
LM-GTE
コンストラクター アストンマーティン
後継 アストンマーティン・ヴァンテージ GTE (2018)
主要諸元
シャシー Bonded aluminium chassis with カーボンファイバー panels
サスペンション(前) Double wishbone with adjustable Koni dampers
サスペンション(後) Double wishbone with adjustable Koni dampers
エンジン アストンマーチン 4,475 cc (4.5 L; 273.1 cu in), all aluminium, 32 valve 90° V8, 自然吸気, 450 bhp (336 kW; 456 PS), 500 N⋅m (369 lb⋅ft), FMR
トランスミッション 6速 シーケンシャルマニュアルトランスミッション
重量 FIA 1,150 kg (2,540 lb)
ACO 1,175 kg (2,590 lb)
燃料 トタル 98 unleaded
トタル Quartz 9000 lubricants
主要成績
チーム アストンマーティン・レーシング
ドレイソン・レーシング
TF Sport
Beechdean AMR
初戦 2008年アメリカン・ルマン・シリーズ,ロングビーチ
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アストンマーティン・ヴァンテージ GT2は、アストンマーティン・V8ヴァンテージ シリーズの中で最もパワフルなレーシングカー。ヴァンテージ GT2は、V8エンジンの アストンマーティン・ ヴァンテージ をベースに、アストンマーティン・レーシングが開発、標準のレース用燃料または E85 バイオエタノール、両方で動作するように設計されている。

開発

2008年アメリカンルマン シリーズ、ロングビーチでデビューした、ヴァンテージ GT2

2008年にデビュー。FIAおよびACOGT2クラスレギュレーションに適合するマシンとして開発された。FIA GT選手権のほか、アメリカン・ル・マン・シリーズヨーロピアン・ル・マン・シリーズ、およびル・マン24時間レースでカスタマー供給されている。

エンジンは市販モデルの4.3L V8エンジン AJ37をベースに、排気量を4.5Lに拡大した上でドライサンプ化。シリンダーブロック及びクランクシャフトは市販モデルからの流用であるが、シリンダーヘッド、コンロッド、バルブ、カムシャフト、エキゾーストシステム等はレース用のコンポーネントを使用している[1]

市販モデルでは接着されたアルミニウムシャーシを使用しているが、GT2マシンではカーボンファイバーパネル (ルーフを除く) を使用し、フロントスプリッター、リアディフューザー、リアウィング、フラットフロアといったエアロパーツを備える。

燃料はレースシリーズに応じて、E85エタノールと通常のレース用燃料の双方を使用できるよう設計されている。[2]

アップグレードとGTE バージョン

[[ファイル:Vantage_GTE_97,_Silverstone_WEC_2012.png|サムネイル| 2012年シルバーストン・サーキットにて

2012年、前シーズンにLMP1クラスへ投入したAMR-Oneが失敗に終わったアストンマーティン・レーシングは、再びGTカーレースのプログラムに戻った。ヴァンテージGT2の仕様は、更新されたルマンGT2(現在のLM-GTE)レギュレーションとはわずかに異なるため、開発はヴァンテージ GTEとして改めて行われた。

主要なアップグレード

それまでヴァンテージ GT2の欠点とされていた、整備性の向上に焦点が当てられた。フロント周りは取り外し可能なバーによる新しいモジュラー構造となり、エンジンを車から直接引き出すことを可能とした。これにより、整備に4時間以上を要した以前とは異なり、足回りのセッティングに影響を及ぼすことなく、エンジン交換の作業を1時間未満で行えるようになった。リアサスペンションサブフレームも保守性を高めるために変更された。安全性を高めるために燃料電池ロールケージ内に移設され、事故による損傷のリスクを軽減している。

その他のアップグレード

その他のアップグレードとしては、バッテリーをはじめ全体的な軽量化が施されている。 [3]

改良点には、CFDから改良した新しいフロントバンパー、サイドスカート、リアウィングが含まれる。リアウイングはルマンエアロパッケージの進化形であり、ACOはアストンマーティン・レーシングに対し、シーズン通して走ることを許可した[4]。モデファイにより、ドライバーの冷却性能も改善された。これは2008年のALMSでドレイソン-バーウェルを悩ませていた旧型の欠点だった[5]

レース戦績

アストンマーティン・ヴァンテージ GT2は、英国の元国務大臣であるポール・ドレイソンと、2004年の英国GTチャンピオンであるジョニーコッカー2008年ALMS、ロングビーチでレースデビューを果たした。マシンはE85燃料でレースした。 [6]

2008年、ルマン・シリーズで、ジェームズワットオートモーティブは、ヴァンテージGT2を走らせたが[7] 、メカニカルトラブルの為にデビューレースを完走できなかった。

2009年、ドレイソンレーシングは、ルマンシリーズでヴァンテージ GT2を走らせた。

2010年、スーパーGT GT300クラスに、A speedがヴァンテージ GT2で参戦した。マシン名はtripleA ヴァンテージ GT2。

2010年のルマンシリーズに、JMWモータースポーツがヴァンテージ GT2を走らせた。 [8] [[ファイル:PLM_2011_60_Aston_Martin.jpg|サムネイル|2011年プチ・ルマン、ガルフAMRミドルイースト、ヴァンテージ GT2

]] ヴァンテージGT2は、ルマンシリーズやインターコンチネンタル・ルマンカップなど、多くのシリーズにも参戦した。2011年のルマン24時間レースでは、Jotaレーシング・AMRとガルフAMRミドルイーストの2台のヴァンテージGT2がレースを行った。両方のマシンは最終的にリタイアした。1台はメカニカルトラブルがあり、もう1台はコントロールを失ってサーキットをスピンオフし、ドライバーのマークウェインライトは負傷し、マシンは深刻なダメージを受け続行できなかった。

2012年、アストンマーティン・レーシングは、ワークスチームとして、初開催の世界耐久選手権(WEC)に、アップグレードされたLM-GTEスペックのヴァンテージ GTEで参戦した。アップグレードされたマシンは、1月にテストでデビュー。そのマシンは、以前のアストンマーティン・DBR9スポーツプロトタイプカーと同じように、ガルフカラーだった。

2014年の世界耐久選手権で、LM-GTEAmクラスで、ドライバー、チームのダブルタイトルを獲得した。

2016年の世界耐久選手権で、LM-GTEProクラスで、ドライバー、チームのダブルタイトルを獲得した。

脚注

 

  1. ^ Aston Martin Racing Vantage GT2 brochure”. Aston Martin Racing (2010年10月7日). 2010年10月7日閲覧。
  2. ^ Aston Martin Racing révèle sa Vantage GT2”. Endurance-Info (2008年1月4日). 2008年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月10日閲覧。
  3. ^ Chris Pickering, ["Aston Bids for GT Advantage"], Race Tech, April 2012
  4. ^ ["LM GTE Pro"], Endurance Committee
  5. ^ ["Licence to Le Mans"], Greenlight TV
  6. ^ New car, same goals for Drayson-Barwell”. Motorsport.com (2008年4月14日). 2010年9月30日閲覧。
  7. ^ James Watt Automotive engagera une... Aston Martin Vantage GT2 !”. Endurance-Info (2008年2月4日). 2008年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年2月4日閲覧。
  8. ^ Aston Martin Vantage for JMW Motorsport in LMS”. PlanetLeMans (2009年12月23日). 2010年1月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年12月23日閲覧。

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