たにし踊りとは? わかりやすく解説

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たにし踊り

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/07/18 21:57 UTC 版)

たにし踊り(たにしおどり)は、古くから伝わるタニシの登場する歌に踊りをつけたものである。歌は幸若舞を起源とするという説もあり、日本各地で類似した歌詞を持つ歌が伝承されてきた。踊りについても発祥は不明であるが、大正時代には存在したものと推察されている。歌詞に薬を扱った部分があり、薬学系の学校では学生の座興として歌と踊りを受け継いできたところも多い。


  1. ^ 刀根山は大阪薬学専門学校の所在地の地名で、他校の歌詞と異なり神社を指すのかどうかも定かではない。刀根山には1926年(大正15年)創建の市軸稲荷神社があるほか、1931年(昭和6年)に薬専が移転してきた際に見つかった稲荷を祀り直した神社も校地内に存在した[6]
  2. ^ この指摘はエーザイの社内報『エーザイロータリー』誌の編集者が編集後記で提起したもので、東京薬科大学出身の社員が歌い踊るのを見聞きして感じた疑問だという。この呼びかけに対して社内外から情報が寄せられたとし、いずれ改めて報告する、とこの編集者は翌号で述べている[13]。さらに次の号から2号にわたって掲載されたのが小瀬洋喜の「田螺踊り考」で、この編集者の疑問を受けた書き出しとはなっているが[14]、文中で小瀬はこの疑問に答えていない[15]。また編集者自身も特に報告はしておらず、翌年の号では社内報の担当者が別人に交代していることから、歌詞の脱落についてどのような情報が寄せられたのかは不明である。
  3. ^ 外部リンクの東薬会のサイトに、この絵をGIFアニメーションに仕立てたものが掲載されている。
  4. ^ 阿部は小瀬洋喜の伯父にあたり、小瀬の歌人としての活動は阿部の影響があった[25]。しかしたにし踊りに関心を持ったきっかけは異なっており、阿部が勤務先の病院にいた医師の持ち芸であったことにあるのに対し[27]、小瀬は自身の体験に基づいている。
  5. ^ この記録の根拠として小瀬は「にろく15号(昭三十八・一)」を挙げているが[35]、『にろく』第15号(昭和三十八年一月一日発行)にはこれにあたる記述は見当たらない。第16号には発火演習の行軍中に流行した歌として「田螺どの」の歌い出しの歌を挙げている文章が掲載されており、小瀬が挙げている歌詞とも一致するが、この文章には歌われた年は特定されていない[36]。『にろく』の別の号には水泳部が「たにしどの」を含む学生歌の発信源となっていた旨の記載もある[37]
  6. ^ 前出の遠軽の薬剤師によれば、学校側が禁止していたというが、「と聞いて居る」と伝聞の形である[46]。また1935年(昭和10年)の学校紹介記事によれば、この時点で学校側は踊りを暗に禁止していたという[47]。踊り自体が禁止されたのか、長襦袢が問題になったのかも不明である。
  1. ^ 『柏秀讃歌―薬学徒青春の軌跡―』東京薬科大学専門二十五回柏秀会、1998年、305ページ。※「何か妙薬…」の箇所は同書では「何が妙薬…」と書かれているが、誤記と思われるため修正して掲載した。
  2. ^ 小瀬 1956, p. 48.
  3. ^ 鈴木重光 1943, pp. 13-14.
  4. ^ 「「たにし踊り」だ 1・2・3それっ(No.113)へのメッセージ」『京薬会誌』第113号、京薬会、2001年7月、53ページ。
  5. ^ 『蛍ケ池 大薬30期生45年の記録』大薬30期会、1992年、97ページ。
  6. ^ 「螢陵春秋」『阪大薬学同窓会報』第4巻第2号、1974年11月、4-19ページ。
  7. ^ 小瀬 1957, p. 68.
  8. ^ 岐阜薬科大学五十年史編集委員会編集『岐阜薬科大学五十年史』岐阜薬科大学創立五十周年記念事業会、1982年、96ページ。
  9. ^ 『久留米高等工業学校 久留米工業専門学校(改称) 九州大学久留米工業専門学校(改称) 回想記 創立60周年記念誌』同窓会久留米工業会、1999年、162ページ。
  10. ^ a b 荒巻健二「随筆: 田螺殿・たにしどの〜」『KORASANA』第85号、2017年1月、久留米昆蟲研究會、11ページ。
  11. ^ 池田弥三郎「8月2日 ないものづくし」『私の食物誌』河出書房新社、1965年、138ページ。
  12. ^ 「ダイアル451」『エーザイロータリー』第142号、エーザイ、1971年7月、60ページ。
  13. ^ 『エーザイロータリー』第143号、エーザイ、1971年8月、48ページ。
  14. ^ 小瀬 1971a, p. 23.
  15. ^ 小瀬 1971a, pp. 23-25; 小瀬 1971b, pp. 26-28.
  16. ^ 「宴席の華“たにし殿”」『徳島県薬業史』徳島県薬事協議会、1998年、48-49ページ。
  17. ^ 『120th anniversary 道のりは、明日につながる――京薬会誌でみる120年の軌跡』京都薬科大学京薬会、2006年、301-302ページ。
  18. ^ 宮崎 1967, pp. 69-74.
  19. ^ 真鍋 1983, pp. 248-250.
  20. ^ 今村泰子編『秋田のわらべ歌』未来社、1969年、230-232ページ。
  21. ^ 薮田 1961, p. 319.
  22. ^ 真鍋 1982, pp. 62-63.
  23. ^ 「田にし」『日本歌謡類聚』上卷、大和田建樹(編)、博文館、1898年、343-344ページ。
  24. ^ 鈴木政雄 1969, pp. 83-85.
  25. ^ a b 「物故歌人を偲ぶ」『短歌研究』第64巻第12号、短歌研究社、2007年12月、103ページ。
  26. ^ 小瀬 1968, p. 69.
  27. ^ 阿部 1959, p. 127.
  28. ^ 阿部 1965, pp. 109-113.
  29. ^ 浅野 1970, pp. 84-87.
  30. ^ 石井 1986, pp. 159-160.
  31. ^ a b 「たにしどの」『士魂 薩摩兵児歌』鹿児島市学舎連合会編、春苑堂書店、1970年、138-139ページ。
  32. ^ 田尻「歌あげについて」『士魂 薩摩兵児歌』52-53ページ。
  33. ^ 久保けんお「鹿児島 たにしどの」『南日本民謡曲集』音楽之友社、1960年、43ページ。
  34. ^ 小瀬 1989, pp. 160-161.
  35. ^ 小瀬 1989, p. 165.
  36. ^ 梅津力衛「酒と共に」『にろく』第16号、にろく会事務所、1964年、79-83ページ。
  37. ^ 相田俊「今井威男君を悼む」『にろく』第13号、にろく会事務所、1961年、137-139ページ。
  38. ^ 竹久夢二編『日本童謠集 あやとりかけとり』春陽堂、1922年、175-176ページ。
  39. ^ a b 須田 1977, p. 220.
  40. ^ 小瀬 1989, pp. 162-163.
  41. ^ 阿部 1959, pp. 127-128.
  42. ^ 鈴木重光 1943, p. 14.
  43. ^ 大石嘉一郎「大内ゼミの想い出」『大内力ゼミナール たにし会の半世紀』たにし会文集編集委員会、2005年、19-23ページ。
  44. ^ 後藤 1981, pp. 160-161.
  45. ^ 小瀬 1989, p. 163.
  46. ^ 阿部 1959, p. 128.
  47. ^ 「都下藥專風景① 東京藥專」『日本藥報』第10年第11号、日本藥報社、1935年6月5日、17ページ。
  48. ^ 東薬史編集委員会編『東薬史抄』東京薬科大学、1958年、85ページ。
  49. ^ 岐阜薬科大学五十年史編集委員会編集『岐阜薬科大学五十年史』岐阜薬科大学創立五十周年記念事業会、1982年、96ページ。
  50. ^ 阿川弘之「葭の髄から・百十八 再説・田螺殿」『文藝春秋』第85巻第3号、2007年2月、77-79ページ。
  51. ^ 阿川弘之「葭の髄から・百十六 田螺殿 田螺殿」『文藝春秋』第84巻第17号、2006年12月、77-78ページ。
  52. ^ 宮崎惇「たにしおどり」『たにしのうたと話』たにし庵、1965年、66-73ページ。
  53. ^ 「東京薬科大学百年」編纂特別委員会編集『東京薬科大学百年――九十年以降――』東京薬科大学、1980年、411ページ。
  54. ^ 薬学部伝統!? タニシ踊り (DVD). 該当時間: 00:00:00 - 00:02:00 
  55. ^ 薬学部伝統!? タニシ踊り (DVD). 該当時間: 00:09:34 - 00:09:43 
  56. ^ 薬学部伝統!? タニシ踊り (DVD). 該当時間: 00:09:43 - 00:09:52 
  57. ^ 薬学部伝統!? タニシ踊り (DVD). 該当時間: 00:10:18 - 00:10:29 


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