しで‐の‐たおさ〔‐たをさ〕【死出の田▽長】
シデノ田長(タヲサ)
- 〔嬉遊笑覧〕杜宇をしでのたをさといふ、袖中抄に賎の田長なり、郭公は勧農の鳥にて、過時不熟と鳴くなりといへり、又しでを死出の山といふ説もあれど、田長といふを思へば、しでもしでうつ田の意なるべし。〔温故要略〕成都記曰、蜀王杜宇称望帝好稼穡治〓城死化為鳥、曰杜鵑〔倭訓栞〕たをさは田事(タワザ)なるべし、わとをと通ふ例あり、古今集に、いくばくの田を作ればか時鳥しでのたをさを朝な朝なよぶ、枕草紙に田歌をのせて、時鳥よ、おれよかやつよ、おれ鳴きてぞわれは田に立つといへり、格物論に杜鵑三四月間、夜鳴達旦、田家俟其鳴興農事と見えたり、伊勢家集に、しでの山越えて来つらん時鳥とよめり、死天の山より来る由ふるくいへり、古へより悲哀の鳥とし、慶賀の事に用ゐず、詩に作るにも哭すといへり、死天の山より来るは蜀の望帝の故事也。
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