この検索アルゴリズムの効率
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/08 01:52 UTC 版)
「クヌース–モリス–プラット法」の記事における「この検索アルゴリズムの効率」の解説
テーブル T が事前に用意されているとした場合、クヌース-モリス-プラット法の検索部分の計算量は O(k)(ここで k は S の長さ)となる。関数呼び出しに関わる固定オーバヘッド部分を除くと、全ての計算は while ループ内で行われるため、このループの繰り返し回数の上限が計算量となる。ここで T の性質が重要となる。S[m] から開始された照合が S[m + i] と W[i] の不一致で失敗したとき、次の照合は S[m + (i - T[i])] から開始される。次の照合は m 以降のインデックスから開始される必要があるため、T[i] < i が成り立つ。 このことから、ループが最大 2k 回繰り返されることがわかる。繰り返しのたびにループ内の2つの分岐のいずれかが実行される。最初の分岐では、常に i をインクリメントして m をそのままとし、インデックス m + i を変化させることで S 内の文字を調べていく。次の分岐では i - T[i] を m に加算する。前述の通り、この加算する値は常に正の値である。従って、照合開始位置 m は増加していく。ループの終了は m + i = k となったときである。従ってループ内の各分岐は k 回実行され、各分岐は m + i か m のいずれかを増加させる。ここで、m ≤ m + i である。m = k となったとき、m + i ≥ k なので、それ以前のいずれかの時点で m + i = k となっているはずである。従っていずれにしても処理は終了する。 以上からループの繰り返し回数は最大でも 2k 回であり、この検索アルゴリズムの計算量は O(k) となる。
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