くすぐったいメカニズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 06:03 UTC 版)
くすぐったいと感じる場所は、一般に耳の周辺、首筋、脇の下、手の甲、もものつけね、膝の裏、足の甲や裏など、動脈が皮膚に近いところを通っている部位である。こうした部分は万一怪我をすると多量の出血を伴いかねない「危険部位」で、そのため付近には自律神経も集まって、外部からの刺激に対しては特に敏感になっている。くすぐりによる刺激は、クモが体をはい上がる・ハチが肩に止まるといった危険を含んだ刺激と判断され、注意が向けられる。 この自律神経と密接な関係にある小脳では、こうした危険部位への刺激に対する予測と、それに対する感覚の制御を行っている。したがって自分でそうした部位をくすぐってみても、その刺激は小脳の予測どおりなので、小脳が感覚を制御するため違和感が生じない。ところが他人にくすぐられると小脳はこれを予測することができないので、感覚の制御は不能として脳は混乱状態に陥る。その不快な感覚が「くすぐったい」という感覚であり、そうした「生命にとっての危機かもしれない」と錯覚された状態から逃れようとする自律神経の過剰反応が「笑い」にあたる。 くすぐられる人間の脳をスキャンした研究によれば、他人にくすぐられた場合には小脳とともに喜びに関係する前帯状領域の活動が活発になるという。
※この「くすぐったいメカニズム」の解説は、「くすぐり」の解説の一部です。
「くすぐったいメカニズム」を含む「くすぐり」の記事については、「くすぐり」の概要を参照ください。
- くすぐったいメカニズムのページへのリンク