『出雲国造神賀詞』における描写
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 04:12 UTC 版)
「国譲り」の記事における「『出雲国造神賀詞』における描写」の解説
記紀では天穂日命は国譲りの使者として天降って3年間も復命しなかった裏切り者のような存在として描かれているのに対して、『出雲国造神賀詞』では地上の様子をくまなく視察し、更に自分の子・天夷鳥命を布都怒志命(経津主神)とともに地上の平定のために天降りさせた神となっている。 武光誠は、『神賀詞』に見られる国譲り神話のほうがその原形に近いとしている。この説によると、この神話は元々出雲氏の祖・天穂日命が大国主神を鎮めるという形で伝えられたが、朝廷による支配が強まると、天穂日命の手柄が軽んじられるようになってしまった。一方、瀧音能之(2012年)は『神賀詞』では天穂日命が復命を怠った神とされていないと同時に、国譲りの交渉にも直接関わっていないことを指摘して、このことから『神賀詞』に見られる伝承は記紀の神話を意識して整えられたものであると主張している。
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