「骨董」という言葉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/02 22:38 UTC 版)
日本語でいうところの骨董には、もともとは「希少価値のある」「アンティーク」的な意味があったわけではない。 『日本国語大辞典』によれば、「希少価値や美術的な価値などのある古美術品や古道具類」という現在一般的に使われる意味の一方、「古いだけで価値がなく役にたたなくなったもの」とも説明されており、正反対の意味をそれぞれ含有している。志賀直哉の『邦子』には、「貴女達の眼から見れば、ああいふのは骨董品かしら。さうなると主人公も同様骨董の部だろうが」という一文がある。 『大言海』によれば、江戸時代の骨董とはコトコト、ゴタゴタなどと同じ意味を持つ擬声語であったという。ここから派生して、骨董飯(こっとうはん、現在で言う五目飯)・骨董汁(こっとうじる、雑多な具を入れた汁)・骨董箱(こっとうばこ、雑多な物を収めておく箱)という言葉があった。 一方、『漢字源』によれば、「董」という漢字は「しんになるたいせつなもの。『骨董』」とあり、「骨」という漢字は「ほね。物事を組みたてるしんになるもの。『骨子』」とある。雑多なガラクタという意味が時代を経て希少価値のある古いもの、という意味が付与されていった歴史を持つのである。
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