( )-ヌートカトンとは? わかりやすく解説

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ノートカトン

分子式C15H22O
その他の名称ノオトカトン、Nootkatone、(+)-Nootkatone、(+)-ヌートカトン、ノートカトン、ヌートカトン、(4R)-4,4a,5,6,7,8-Hexahydro-4β,4aβ-dimethyl-6α-(1-methylethenyl)naphthalen-2(3H)-one、(4R)-4,4a,5,6,7,8-Hexahydro-4,4aβ-dimethyl-6α-(1-methylethenyl)naphthalen-2(3H)-one、(4R)-4,4a,5,6,7,8-Hexahydro-6α-isopropenyl-4β,4aβ-dimethylnaphthalene-2(3H)-one、(4R)-4β,4aβ-Dimethyl-6α-isopropenyl-2,3,4,4a,5,6,7,8-octahydronaphthalene-2-one、4,4a,5,6,7,8-Hexahydro-4β,4aβ-dimethyl-6α-(1-methylethenyl)naphthalene-2(3H)-one、4,4a,5,6,7,8-Hexahydro-4β,4aβ-dimethyl-6α-(1-methyleneethyl)naphthalene-2(3H)-one、(+)-Nootakatone、(+)-ノオタカトン、3β-(1-Methyleneethyl)-4aα,5α-dimethyl-1,2,3,4,4a,5,6,7-octahydronaphthalene-7-one
体系名:(1R,7R,8aS)-1,5,6,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1,8a-ジメチル-7-(1-メチルエテニル)-3(2H)-ナフタレノン、(4R)-4β,4aβ-ジメチル-6α-(1-メチルエテニル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロナフタレン-2(3H)-オン、(4R)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-4β,4aβ-ジメチル-6α-(1-メチルエテニル)ナフタレン-2(3H)-オン、(4R)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,4aβ-ジメチル-6α-(1-メチルエテニル)ナフタレン-2(3H)-オン、(4R)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-6α-イソプロペニル-4β,4aβ-ジメチルナフタレン-2(3H)-オン、(4R)-4β,4aβ-ジメチル-6α-イソプロペニル-2,3,4,4a,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-オン、4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-4β,4aβ-ジメチル-6α-(1-メチルエテニル)ナフタレン-2(3H)-オン、4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-4β,4aβ-ジメチル-6α-(1-メチレンエチル)ナフタレン-2(3H)-オン、3β-(1-メチレンエチル)-4aα,5α-ジメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-7-オン


ノートカトン

(( )-ヌートカトン から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/10/10 14:44 UTC 版)

ノートカトン
Nootkatone crystals
物質名
識別情報
3D model (JSmol)
ChEBI
ChEMBL
ChemSpider
ECHA InfoCard 100.022.840
KEGG
PubChem CID
日化辞番号
  • J14.286G
UNII
CompTox Dashboard (EPA)
性質
C15H22O
モル質量 218.34 g·mol−1
外観 淡黄色結晶
密度 0.968 g/mL
融点 36 °C (97 °F; 309 K)
沸点 170 °C (338 °F; 443 K)
水に溶けない。エタノール、ジクロロメタン、酢酸エチルによく溶ける。ヘキサンに溶ける。
危険性
GHS表示:[1]
Warning
H317
P280
引火点 ~ 100 °C (212 °F; 373 K)
関連する物質
関連するテルペン バレンセン
特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
N verify (what is  N ?)

ノートカトン(またはヌートカトン、Nootkatone)は分子式C15H22Oで表されるセスキテルペンケトンの一種である。天然型のd-ノートカトンはグレープフルーツ(特にホワイト種)の特徴的な香りを持つ化合物の1つである[2]

発見と構造決定

1962年にH. Erdtmanらによってアラスカイエローセダー (Chamaecyparis nootkatensis) の心材のアセトン抽出物から単離され、ノートカトンと命名された[3]。Erdtmanらはユーデスマン骨格の構造を提案したが、これは誤りであった。

1964年にWilliam D. MacLeodらによりグレープフルーツジュースおよび果皮油から発見され、グレープフルーツの香りに大きく寄与している化合物であることが判明した[4]。そして翌年MacLeodによってエレモフィラン骨格を持つ正しい構造が決定された[5]

なお、ベチバーの精油に含有されるα-ベチボンはノートカトンと二重結合の位置が一箇所異なるだけの異性体である。

合成

初めての全合成は1968年にM. Pesaroらによってなされている[6]

オレンジ精油から得られるd-バレンセンクロム酸酸化することで天然型のノートカトンを1ステップで合成することが可能である。この方法の改良法として空気酸化や微生物酸化による方法が報告されている。

用途

d-ノートカトンはグレープフルーツの香料素材として使用される。なおエナンチオマーであるl-ノートカトンの香りは弱く、グレープフルーツの香りはないとされている。

誘導体

環上の二重結合が飽和された1,10-ジヒドロノートカトン、環上にもう1つ二重結合が導入された8,9-デヒドロノートカトンもグレープフルーツ中に存在し、グレープフルーツ様の香りを持つ化合物として知られている。

脚注

  1. ^ GHS: Sigma-Aldrich 74437 (SDS)
  2. ^ Furusawa, Mai; Toshihiro Hashimoto, Yoshiaki Noma, and Yoshinori Asakawa (2005). “Highly Efficient Production of Nootkatone, the Grapefruit Aroma from Valencene, by Biotransformation”. Chem. Pharm. Bull. 53 (11): 1513–1514. doi:10.1248/cpb.53.1513. PMID 16272746. 
  3. ^ Erdtman, H.; Hirose, Y. (1962). “The Chemistry of the Natural Order Cupressales. 46. The Structure of Nootkatone”. Acta Chem. Scand. 16: 1311-1314. doi:10.3891/acta.chem.scand.16-131. 
  4. ^ MacLeod, W. D.; Buigues, N. M. (1964). “Sesquiterpenes. I. Nootkatone, A New Grapefruit Flavor Constituent”. J. Food Sci. 29 (5): 565–568. doi:10.1111/j.1365-2621.1964.tb00411.x. 
  5. ^ MacLeod, W. D. (1965). “The constitution of nootkatone, nootkatene and valencene”. Tetrahedron Lett. 6 (52): 4779–4783. doi:10.1016/S0040-4039(01)89034-1. 
  6. ^ Pesaro, M.; Bozzato, G.; Schudel, P. (1968). “The total synthesis of racemic nootkatone”. Chem. Commun. (London): 1152-1154. doi:10.1039/C19680001152. 




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