x86 概要

x86

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/22 10:16 UTC 版)

概要

この命令セットアーキテクチャをもつプロセッサの型番が、最初の段階で「8086」、「80186」、「80286」、「80386」、「80486」と続いたため、総称して「80x86」、更に型番の下2桁が共通するところから「x86」(エックスはちろく、ペケはちろく)や「86系」などと呼ばれるようになった。これらは初期の8086から80286までの16ビットのプロセッサの通称として始まって主にユーザーや互換チップメーカーによって使用された。同時期のモトローラのライバル的MPUMC68000」とそのファミリーがやはり型番から「68系」と呼ばれたので、それと対比するためにも使われるようになった。

最初である8086は、1978年インテルがリリースした16ビットのものであった。その8086、およびそれを多少改良したIntel 8088が、1980年代前半にIBM PCなどに採用された。これにより、パソコンなど小型コンピュータのデファクトスタンダードとして広く普及した[2]1985年リリースの80386 (i386) は32ビットに拡張した。さらに2000年には、AMD64ビットへ拡張する計画を発表し、2003年に発売した。インテルもそれに追随し、''x64'' (x86-64) が普及した。

なお、x86-64あるいは単にx64が登場した直後の移行期は、移行の必要性を訴えたり、移行作業を行ったりする都合上、なかんずくx64という用語は、主にx86と対比し、区別するために用いられた。つまり、32ビットのものと64ビットのものを対比し、区別するために使われていた。その後、64ビットのものが普及するにつれて、「x86」でx86-64まで含めた総称として使うような語法も見られる様になった。その結果「x86」という場合、16ビットから64ビットまで、ともかく最初の8086の命令セットアーキテクチャ互換性を備えた命令セットを持つプロセッサ群を広く指す総称として使用されるようになっている。AMDVIAなどの互換プロセッサも含まれ、さまざまなメーカーによってさまざまなブランド、型番のものが販売されてきた。

パーソナルコンピュータ (PC) からスーパーコンピュータサーバ組み込みシステムまで広く使われていることから、従来は「PCサーバ」や「IAサーバ」と呼んでいたカテゴリーも「x86サーバ」や「x86システム」と呼ぶベンダーが増えている。

32ビットアーキテクチャに範囲を限れば、「x86」と「IA-32」はほぼ同義である。[注 2]

なお、インテルItanium(アイテニアム)プロセッサで使われているIA-64は、x86とは互換性のない、別の設計の64ビットアーキテクチャであるので区別するのが望ましい。Itaniumプロセッサは、「x86エミュレーションモード」を備えてはいるがx64によるLongモードという名称の互換モードでのネイティブ実行と比較すると低速である[3]


出典

  1. ^ x86 - デジタル大辞林
  2. ^ IT用語辞典【x86, x86系】
  3. ^ ASCII.jp:32bitアプリを64bit Windows 7で動かす「WOW64」 (1/3)|あなたの知らないWindows
  4. ^ インテル (2008年3月17日). “Intel Corporation's Multicore Architecture Briefing”. 2008年4月16日閲覧。

注釈

  1. ^ SIMD命令としては1997年に初めてMMXが追加され、以降もSSEAVXなどといったより強力な命令が追加されている。
  2. ^ 一方、64ビットに限れば、「x86」は「x86-64」とほぼ同義ということになる。






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