椿事件
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非自民連立政権の実現可能性
椿の意図は上記にもあるように「何でもよいから共産党を排除した反自民の連立政権を成立させる」ことにあったが[注 6]、当時の政局は必ずしも反自民の連立政権が成立すると言い切れる状況ではなかった。
なぜなら、総選挙の結果判明直後から小沢が掲げた「細川護煕擁立論」が明るみに出るまで、日本新党の去就が定かではなかったからである。総選挙で35議席を獲得した日本新党は、いわばキャスティング・ボートとしての存在でしかなかった。自民党の出方次第、また小沢の連立政権構想のなかに細川がいなければ自民党と日本新党の連立政権が樹立する可能性もあった。実際、過去には1983年に自民党が過半数ギリギリになった際、新自由クラブとの連立政権が誕生した例があった。
脚注
参考文献
- 宝島編集部 編『VOW PLUS!1 現代下世話大全 まちのヘンなもの大カタログ』JICC出版局〈宝島COLLECTION〉、1993年12月。ISBN 978-4-7966-0762-9。
- 小田桐誠『検証・テレビ報道の現場』社会思想社〈現代教養文庫〉、1994年3月。ISBN 978-4-3901-1544-5。
- 谷沢永一『大国・日本の「正体」』講談社〈講談社文庫〉、1994年3月。ISBN 978-4-0618-5621-9。
- 川上和久『情報操作のトリック その歴史と方法』講談社〈講談社現代新書〉、1994年5月17日。ISBN 978-4-0614-9201-1。
- 嶌信彦『メディア 影の権力者たち』講談社、1995年4月。ISBN 978-4062076289。
- 本多勝一『滅びゆくジャーナリズム』朝日新聞社〈朝日文庫〉、1996年9月。ISBN 978-4-0226-1165-9。
- 原寿雄『ジャーナリズムの思想』岩波書店〈岩波新書〉、1997年4月21日。ISBN 978-4-0043-0494-4。
- 藤竹暁『ワイドショー政治は日本を救えるか』ベストセラーズ〈ベスト新書〉、2002年4月。ISBN 978-4-5841-2041-5。
- 碓井広義『テレビの教科書 ビジネス構造から制作現場まで』PHP研究所〈PHP新書〉、2003年5月。ISBN 978-4-5696-2786-1。
- 「渡邉昭夫「細川護煕」」『歴史群像シリーズ70 実録首相列伝』学研プラス、2003年7月。ISBN 978-4-0560-3151-5。
- 井沢元彦『虚報の構造オオカミ少年の系譜 朝日ジャーナリズムに異議あり』小学館〈小学館文庫〉、2003年10月7日。ISBN 978-4-0940-2304-6。
- 浅川博忠『戦後政財界三国志』講談社〈講談社文庫〉、2004年9月。ISBN 978-4-0627-4884-1。
- 星浩『安倍政権の日本』朝日新聞社〈朝日新書〉、2006年10月。ISBN 978-4-0227-3112-8。
- 林信吾、葛岡智恭『日本人の選択 総選挙の戦後史』平凡社〈平凡社新書〉、2007年6月。ISBN 978-4-5828-5378-0。
- 小栗泉『選挙報道 メディアが支持政党を明らかにする日』中央公論新社〈中公新書ラクレ〉、2009年6月。ISBN 978-4-1215-0322-0。
- 今村守之『問題発言』新潮社〈新潮新書〉、2011年12月16日。ISBN 978-4-1061-0446-6。
- 渡邉恒雄『反ポピュリズム論』新潮社〈新潮新書〉、2012年7月。ISBN 978-4-1061-0480-0。
関連項目
注釈
- ^ 山下徳夫厚生大臣が「同番組のスポンサーの商品はボイコットすべきである」と発言した、と椿は主張している[1]。
- ^ 悪代官と腐敗商人のツーショットは時代劇では定番のシーンであり、政治家に対して持たれているネガティブなステレオタイプの姿である。これを反復することによって梶山・佐藤のツーショットが本来の全体的文脈から切り離されて、新たな文脈のもとに別の社会的意味が生み出されるといえる[3][4]。
- ^ アナログテレビ時代のテレビ朝日は10ch。
- ^ この報道により産経新聞は1994年度の新聞協会賞を受賞した。
- ^ この事件はテレビ朝日系列において『アフタヌーンショー』の「やらせリンチ事件」、『素敵にドキュメント』(朝日放送制作)のやらせ発覚に次ぐ大事件となり、テレビ朝日系列局のイメージダウン(テレビ朝日系番組の視聴率低下など)が一層加速することになった。
- ^ 「55年体制を突き崩さないとだめなんだというところに視点を置いてものを作っていった」と発言している[24]。
出典
- ^ 小田桐 1994, p. 79.
- ^ 井沢 2003, p. 171.
- ^ 浅川 2004, p. 190.
- ^ 藤竹 2002, pp. 158–161.
- ^ VOW PLUS!1, p. 126.
- ^ a b c d 嶌 1995, p. 234.
- ^ 電波法違反の無線局及び無線従事者に対する行政処分の実施 - 総務省公式ウェブサイト、2015年8月18日閲覧。
- ^ 電波法(抜粋) - 放送倫理・番組向上機構公式ウェブサイト、2015年8月18日閲覧。
- ^ 川上 1994, pp. 108–110.
- ^ 郵政省「多チャンネル時代における視聴者と放送に関する懇談会 最終報告書」(1996年12月9日)
- ^ 読売新聞2003年11月10日
- ^ 東京新聞2004年7月2日朝刊「特報 自民が求める『公平』とは 脅かされる論評の自由」
- ^ 小栗 2009, pp. 112–113.
- ^ 林 & 葛岡 2007, p. 222.
- ^ 渡邉 2012, pp. 138–144.
- ^ 原 1997, p. 29.
- ^ 碓井 2003, p. 68.
- ^ 本多 1996, pp. 283–284.
- ^ 谷沢 1994, p. 48.
- ^ 星 2006, p. 124.
- ^ 嶌 1995, p. 235.
- ^ a b 嶌 1995, p. 236.
- ^ 嶌 1995, p. 236 - 237.
- ^ 今村 2011, p. 148.
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