日興コーディアルグループ 不祥事・事件

日興コーディアルグループ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/27 02:11 UTC 版)

不祥事・事件

有罪の元役員への報酬支払疑惑

1990年代後半に発覚した総会屋グループ代表や新井将敬元衆院議員への不正な利益供与で有罪判決(懲役1年執行猶予3年)を受けた元常務に対して、事件直後から約9年間、取引報告書などの証券取引の事務処理をするグループ子会社の日興ビジネスシステムズの嘱託社員として年間2000万円近い報酬を払っていたことが明らかになった。なお、報酬額は日興の部長級より高い破格の待遇とされ、「『汚れ役』を引き受けた見返りではないか」と見られる。

株価操作問題 

日興ソロモン証券が大手損害保険会社が結んだ株価指数連動型上場投資信託(ETF)の設定契約には、損保が支払う契約を実際に買い付けた株価でなく、基準日の東京証券取引所の終値で決める仕組みだったことを利用し、基準日である2002年7月18日に、日興ソロモン証券が取引終了間際に大量の買い注文を出すことで終値を引き上げ、大手損害保険会社から約60億円の利ざやを稼いだ問題。

2003年に問題が発覚。金融庁から20営業日の自己売買部門の業務停止命令と内部管理体制強化を求める業務改善命令を受けた。

不正会計処理問題

2006年(平成18年)12月18日証券取引等監視委員会は日興コーディアルグループが傘下の投資会社の決算上の数字の扱いについて不適切な処理を行い、およそ180億円の利益を水増ししたと指摘。この決算に基づいて、日興コーディアルグループが500億円の社債を発行していたため、内閣総理大臣と金融庁長官に対し、5億円の追徴金を課すよう勧告した[4]証券取引法第172条第1項第1号に基づく処分)。

その後、12月25日の臨時取締役会で、日興コーディアルグループ社長(日興コーディアル証券社長を兼任)と会長が26日付で引責辞任し、日興コーディアルグループ社長の後任に同取締役、日興コーディアル証券社長の後任に同副社長がそれぞれ就任する人事を決めた。

2007年(平成19年)2月23日、アメリカの金融大手であるシティグループが、日興コーディアルグループを事実上傘下に収める方向で交渉に入ったことが明らかになった。その後、3月12日に東証は日興コーディアルグループの上場を維持することを発表した。5月9日に、シティグループが日興コーディアルグループの株の61.08%を保有する筆頭株主となったことで、事実上同社の傘下となる。

ジャーナリストの田原総一朗は、「これは不正会計というより粉飾決算だが、公正取引委員会、金融庁、検察も共に全く動かなかった」と主張。その理由を、政治絡みであることは間違いないと主張しており、マスコミが発端で捜査に至ったリクルート事件になぞらえ今後追及していかなければならないとしている。事件の原因としては、日本文化独特の癒着が監査法人と企業の間に起こったことが一因ではないかと田原は結論付けている[5]


  1. ^ 100年のあゆみ | SMBC日興証券100周年記念サイト”. www.smbcnikko.co.jp. 2022年10月17日閲覧。
  2. ^ 菊地浩之. “日興證券が裏切り、三菱が怒った…三井住友は大和証券を切り捨て、日興証券と提携した”. ビジネスジャーナル/Business Journal | ビジネスの本音に迫る. 2022年10月17日閲覧。
  3. ^ online編集部, Z. U. U. (2016年12月27日). “四大証券の一角「山一証券」破たん20年、他の3社はどこ?”. ZUU online. 2022年10月17日閲覧。
  4. ^ 株式会社日興コーディアルグループに係る発行登録追補書類の虚偽記載に係る課徴金納付命令の勧告について」。証券取引等監視委員会、2006年12月18日。
  5. ^ 闇に逃げる日興コーディアル徹底追及の手を緩めるな!”. 日経BP (2007年3月29日). 2011年11月9日閲覧。






固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「日興コーディアルグループ」の関連用語

日興コーディアルグループのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



日興コーディアルグループのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの日興コーディアルグループ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS