名古屋市電笹島線 路線概況

名古屋市電笹島線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/07 04:59 UTC 版)

路線概況

全長は笹島線が1.364キロメートル、広井町線が0.607キロメートル(1962年3月末時点)[1]。全線複線かつ道路上に敷設された併用軌道であった[1][2]

笹島線の起点は六反小学校前停留場である[1]。旧六反小学校南西角、大須通(市道日置通線)と名駅通(市道山王線)が交差する名駅南五丁目交差点に位置した[3]。東の水主町方面から通ずる市電路線はこの交差点で北へ折れ、名駅通を北進していく[3]。水主町 - 六反間の路線名を水主町延長線といい、六反以北の路線名を「笹島線」といった[4]

東海道本線名鉄名古屋本線などの東に沿って名駅通を北上すると、東西方向の広小路通県道60号)・太閤通(県道68号)と交差する笹島交差点へと出る[3]。交差点には笹島町停留場があり[3]、東へ向かう市電栄町線および西へ向かう中村線と交差した[2][4]。この交差点には栄町線と笹島線北側を繋ぐ複線の連絡線があり、笹島線名古屋駅前方面と栄町線柳橋・方面の直通が可能であった[2]

次の名古屋駅前停留場は笹島線の終点ならびに広井町線の起点であった[1]名古屋駅正面、名駅通と桜通が交差する駅前ロータリーを挟んで南北2か所に停留場があった[5][6]。南側の停留場は名古屋駅正面口・名鉄百貨店名鉄名古屋駅)前、北側の停留場は名古屋駅北口前にあたる[6]。またロータリー内には東側に噴水、西側(駅側)に「青年の像」という銅像があった[注釈 1]が、市電の線路はその間を通ってロータリーを南北に貫通していた[5][6]

広井町線は名古屋駅前を起点に、中央郵便局交差点にて北東へ折れる市道広井町駅前線を進む[3]。途中の停留場がない短い路線であり、終点那古野町停留場では北上して菊井町押切町方面へ向かう押切線に接続した[4]。なお、途中の中央郵便局交差点から北西側に伸びる線路も存在した[7]。「名古屋駅前待避線」という、多くの系統が集まる名古屋駅前停留場で電車の時間調整を行うための待避線で[7]、全長268メートルの側線であった(1962年3月末時点)[1]


注釈

  1. ^ 1989年に銅像・噴水ともに撤去され、ロータリーには「飛翔」というステンレス製のモニュメントが建てられた。
  2. ^ 「東桜町」という停留場は大津町線にある。

出典

  1. ^ a b c d e f 『交通事業成績調書』昭和36年度63-68頁
  2. ^ a b c 『名古屋市電が走った街今昔』18-19頁(「名古屋市電全線路線図」)
  3. ^ a b c d e f 位置は『名古屋市全商工住宅案内図帳』住宅地図・1965年)に基づく。道路名・交差点名は『ゼンリン住宅地図』(2015年)および名古屋市緑政土木局路政部道路利活用課「名古屋市道路認定図」(2019年8月16日閲覧)から補記。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 『日本鉄道旅行地図帳』7号24・54-61頁
  5. ^ a b 『名古屋市電が走った街今昔』30-32頁
  6. ^ a b c 『名古屋市電(下)』19頁
  7. ^ a b c 『名古屋市電(中)』19頁
  8. ^ a b 『鉄道と街・名古屋駅』106-107頁
  9. ^ a b 『市営三十年史』前編15-17頁
  10. ^ a b 『名古屋都市計画史』上巻319-320頁
  11. ^ 『名古屋鉄道社史』734頁(巻末年表)
  12. ^ a b c 『市営五十年史』512-513頁
  13. ^ 『名古屋市電(上)』7-8頁
  14. ^ 『市営三十年史』前編22頁
  15. ^ 『電気軌道事業買収顛末』62頁
  16. ^ a b c 『市営五十年史』74-75頁
  17. ^ a b c 官報』1928年4月14日付。NDLJP:2956847/7
  18. ^ a b c 『大名古屋』377頁。NDLJP:1256247/227
  19. ^ 『市営十五年』29頁
  20. ^ a b 『鉄道と街・名古屋駅』58-60頁
  21. ^ 『電気軌道営業統計報告』昭和12年度77-81頁
  22. ^ 『電気軌道事業成績調書』昭和13年度8-9頁
  23. ^ 『電気軌道事業成績調書』昭和13年度27-30頁
  24. ^ 『官報』1942年1月8日付。NDLJP:2960999/12
  25. ^ 『私鉄統計年報』昭和36年度303頁
  26. ^ 『名古屋市電(上)』14-19頁
  27. ^ a b c d 『名古屋市電(下)』16頁
  28. ^ 『市営五十年史』654-655頁(巻末年表)
  29. ^ a b 『日本鉄道旅行地図帳』7号57頁
  30. ^ 『名古屋市全商工住宅案内図帳』(住宅地図・1965年)
  31. ^ 『市営十五年』、「電車運転系統図」による
  32. ^ 『市営三十年史』、「電車運転系統図昭和27年3月現在」および後編133-135頁
  33. ^ 『名古屋市電(上)』28頁
  34. ^ a b 『名古屋市電(中)』4-5頁
  35. ^ 『名古屋市電(中)』8頁
  36. ^ 『名古屋市電(中)』10頁
  37. ^ 『名古屋市電(中)』24頁
  38. ^ 『名古屋市電(中)』34頁
  39. ^ a b 『名古屋市電(中)』38頁
  40. ^ 『名古屋市電(中)』7・10頁
  41. ^ 『昭和34年度乗客交通調査集計書 (I)』、「路面電車終日乗車人員路線図表」「路面電車終日降車人員路線図表」「路面電車終日通過人員路線図表」ほか
  42. ^ 『昭和41年度乗客交通調査集計書 (I)』、「路面電車終日乗車人員路線図表」「路面電車終日降車人員路線図表」「路面電車終日通過人員路線図表」ほか





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